【ポラリス】志青【希望】
「俺は生きるよ。お前が守りたかったもの。…今更遅いかもしれないが、精一杯守ってみせる。」
ポラリスの英雄歌【illust/80979654】
希望の歌に参加させていただきます。
名前:水雨 志青
年齢:78歳
性別:男
身長:195cm
所属国:青月国
総ポイント:300pt
参加期:3期【illust/84805683】
水雨の忍びの里の先々代当主だった男性。
若い頃は己に流れるクルジャの血により従いたくもない命令に従ってしまう己に反発し、非常に反抗的で口の悪い少年であったが、いつしか大人になり、妻を迎え、3人の子にも恵まれた。
妻が早くに亡くなることは、彼女を妻にと望んだ時からわかっていた。それでも諦めたくなかったし、手立てがないと知った時には絶望した。しかし、彼女と築いた幸せはたったのひと時ではあったが確かに幸せであった。
妻を失い、その亡骸を喰らった後は、失意の底に堕ち、彼女の後を追うことも考えたが、彼女の最期の『お願い』が彼を踏みとどまらせた。
……守りたかったものがある。
自分の力は足りなくて、それを守ることはできなかった。投げやりに生きているうちにもっと多くのものを失った。いつも自分を避けるようにしていた息子の最期の言葉、夫に先立たれてからどこか悲しげに笑うようになってしまった娘、誰よりも元気だった娘は病でそのまま死んだ。もっと対話をしていれば、もっとあの時ああしていれば今は違ったのだろうか?気がついた時にはもう手遅れで、投げやりに生きているばかりでは失っていくばかりだと気づいた。
もう手遅れかもしれない。あの時全てを失ってしまった気がしていたけど、本当はたくさんのものが遺されていた。見ようとしていなかっただけで、彼女が遺してくれた幸せのカケラが今のこの日々にも息づいている。今更やる気を出されてもと、子供たちには呆れられてしまうかもしれないけれど…
これ以上なにも失いたくなくて、戦いたいと思う。この気持ちは誰に命じられたわけでもない確かに自分の意志であった。
◆家族◆
妻:水雨 フェンネルさん(旧姓:エインズワース) 【illust/84717467】 希望の歌【illust/87737889】
長男:水雨 竜胆さん【illust/85698305】祝福の歌【illust/87911697】
長女:水雨 桔梗さん【illust/86131940】希望の歌【illust/87934341】
次女:水雨 明灯 【illust/85698683】祝福の歌【illust/87578601】
父:ウェイさん【illust/84044834】
母:水雨 天音【illust/83954992】希望の歌【illust/87783037】
片割れ:水雨 彪さん【illust/84803511】【illust/85962492】
◆スキル◆
水鏡ノ魂結ビ
お供の式神インコ。志青が子供の時からずっと一緒にいたとても賑やかな性格。本当の名前は「覇王暗黒邪龍鳥」。通称・トリ
いつも明るい彼だが主人が落ち込んでいるときは気が気じゃなかった。禁句の本名を名乗ってもいつものように怒ってこない。
かの人を失って早数十年、どこか塞ぎ込んだかのように暗かった主人だが、この度なにか主人の中で何かが変わったようだ。いつもように仏頂面ではあるのだが、どこか明るい表情を見て彼はとても嬉しくなった。
「ゴシュジンー!ワタシノコトモツレテッテクダサレー!!ゴシュジンー!!」
-------------------
化け物を操る女が出たという。
女の操るその化け物は見境なく周りのものを食べ尽くしていき、あわや自分も食われるのではないかと思ったという…
「助けてほしい」と近隣の村人から水雨の里に依頼がやってきた。
化け物を操る女というが、このご時世式神を使役する武芸者は山ほどいる。
きっと魔王軍と戦うどこかの誰かに決まっているのに、なにをそんなにその村人は慌てていたのか。
しかし、怯えた顔つきで依頼をしてきた村人をすげなく返すわけにもいかず、とりあえず様子を見てみるかと志青はその依頼を引き受けた。
村人がその女を見たという方角に向かう。里を出てしばらくしたところにあるその森はかつて彼が妻と出会った場所であった。
ここにしか生えていない薬草があるのだといって彼女は遠くからやってきたのだった。
そういえばここに来るのも久しぶりだ。
妻を亡くしてしばらくはなにも考えられなかったから。
思えば、昔から思い切りのよい女だった。
あんな軽装備でこんな辺鄙な森の中まで、自分がたまたま行き合わなかったらどうしていたのだろうか?
この森の草木のように鮮やかな妻の瞳の色を思い出す。
いつか妻に贈ったたんぽぽの花が目に止まり懐かしさに手に取った。
あの時、彼女はなんていってたっけ?
「突然ごめんなさい、道をお聞きしたいのだけれど…」
唐突に、幻聴ではないリアルさで耳に飛び込んできた声にはじかれたように振り返る。
「…フェンネル……?」
昔と寸分違わない変わりない美しさで、彼の妻が微笑んでいた。痣に苦しめられ、命を落とし、彼が一欠片も残さず喰らい尽くした彼女が。
「本当に…お前なのか…?」
忘れるはずもないその姿、彼女が死んだその日から思い描かない日はなかった。忘れたくても忘れられず、会いたくて仕方なくて何度後を追おうと考えたことか。その彼女が今目の前に立っている。
手を伸ばしたのは無意識だった。
「俺は…っ!」
これが夢なら醒めないでほしい。この世界の女神とやらにそう祈らずにはいられなかった。
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不備等あればご連絡下さい。よろしくお願いします。
ポラリスの英雄歌【illust/80979654】
希望の歌に参加させていただきます。
名前:水雨 志青
年齢:78歳
性別:男
身長:195cm
所属国:青月国
総ポイント:300pt
参加期:3期【illust/84805683】
水雨の忍びの里の先々代当主だった男性。
若い頃は己に流れるクルジャの血により従いたくもない命令に従ってしまう己に反発し、非常に反抗的で口の悪い少年であったが、いつしか大人になり、妻を迎え、3人の子にも恵まれた。
妻が早くに亡くなることは、彼女を妻にと望んだ時からわかっていた。それでも諦めたくなかったし、手立てがないと知った時には絶望した。しかし、彼女と築いた幸せはたったのひと時ではあったが確かに幸せであった。
妻を失い、その亡骸を喰らった後は、失意の底に堕ち、彼女の後を追うことも考えたが、彼女の最期の『お願い』が彼を踏みとどまらせた。
……守りたかったものがある。
自分の力は足りなくて、それを守ることはできなかった。投げやりに生きているうちにもっと多くのものを失った。いつも自分を避けるようにしていた息子の最期の言葉、夫に先立たれてからどこか悲しげに笑うようになってしまった娘、誰よりも元気だった娘は病でそのまま死んだ。もっと対話をしていれば、もっとあの時ああしていれば今は違ったのだろうか?気がついた時にはもう手遅れで、投げやりに生きているばかりでは失っていくばかりだと気づいた。
もう手遅れかもしれない。あの時全てを失ってしまった気がしていたけど、本当はたくさんのものが遺されていた。見ようとしていなかっただけで、彼女が遺してくれた幸せのカケラが今のこの日々にも息づいている。今更やる気を出されてもと、子供たちには呆れられてしまうかもしれないけれど…
これ以上なにも失いたくなくて、戦いたいと思う。この気持ちは誰に命じられたわけでもない確かに自分の意志であった。
◆家族◆
妻:水雨 フェンネルさん(旧姓:エインズワース) 【illust/84717467】 希望の歌【illust/87737889】
長男:水雨 竜胆さん【illust/85698305】祝福の歌【illust/87911697】
長女:水雨 桔梗さん【illust/86131940】希望の歌【illust/87934341】
次女:水雨 明灯 【illust/85698683】祝福の歌【illust/87578601】
父:ウェイさん【illust/84044834】
母:水雨 天音【illust/83954992】希望の歌【illust/87783037】
片割れ:水雨 彪さん【illust/84803511】【illust/85962492】
◆スキル◆
水鏡ノ魂結ビ
お供の式神インコ。志青が子供の時からずっと一緒にいたとても賑やかな性格。本当の名前は「覇王暗黒邪龍鳥」。通称・トリ
いつも明るい彼だが主人が落ち込んでいるときは気が気じゃなかった。禁句の本名を名乗ってもいつものように怒ってこない。
かの人を失って早数十年、どこか塞ぎ込んだかのように暗かった主人だが、この度なにか主人の中で何かが変わったようだ。いつもように仏頂面ではあるのだが、どこか明るい表情を見て彼はとても嬉しくなった。
「ゴシュジンー!ワタシノコトモツレテッテクダサレー!!ゴシュジンー!!」
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化け物を操る女が出たという。
女の操るその化け物は見境なく周りのものを食べ尽くしていき、あわや自分も食われるのではないかと思ったという…
「助けてほしい」と近隣の村人から水雨の里に依頼がやってきた。
化け物を操る女というが、このご時世式神を使役する武芸者は山ほどいる。
きっと魔王軍と戦うどこかの誰かに決まっているのに、なにをそんなにその村人は慌てていたのか。
しかし、怯えた顔つきで依頼をしてきた村人をすげなく返すわけにもいかず、とりあえず様子を見てみるかと志青はその依頼を引き受けた。
村人がその女を見たという方角に向かう。里を出てしばらくしたところにあるその森はかつて彼が妻と出会った場所であった。
ここにしか生えていない薬草があるのだといって彼女は遠くからやってきたのだった。
そういえばここに来るのも久しぶりだ。
妻を亡くしてしばらくはなにも考えられなかったから。
思えば、昔から思い切りのよい女だった。
あんな軽装備でこんな辺鄙な森の中まで、自分がたまたま行き合わなかったらどうしていたのだろうか?
この森の草木のように鮮やかな妻の瞳の色を思い出す。
いつか妻に贈ったたんぽぽの花が目に止まり懐かしさに手に取った。
あの時、彼女はなんていってたっけ?
「突然ごめんなさい、道をお聞きしたいのだけれど…」
唐突に、幻聴ではないリアルさで耳に飛び込んできた声にはじかれたように振り返る。
「…フェンネル……?」
昔と寸分違わない変わりない美しさで、彼の妻が微笑んでいた。痣に苦しめられ、命を落とし、彼が一欠片も残さず喰らい尽くした彼女が。
「本当に…お前なのか…?」
忘れるはずもないその姿、彼女が死んだその日から思い描かない日はなかった。忘れたくても忘れられず、会いたくて仕方なくて何度後を追おうと考えたことか。その彼女が今目の前に立っている。
手を伸ばしたのは無意識だった。
「俺は…っ!」
これが夢なら醒めないでほしい。この世界の女神とやらにそう祈らずにはいられなかった。
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不備等あればご連絡下さい。よろしくお願いします。
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2021-02-24 21:41
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