連合艦隊総司令 土方竜
肩書から分かる通り、宇宙戦艦ヤマト2の土方総司令です。
ヤマトシリーズで誰が好きかと問われれば、私は迷わずヤマト2の土方総司令を上げます。
全ヤマトシリーズの中でもヤマト2は桁外れに面白く、最終回でウンコを投げつけてこなければ、数多のTVアニメの中で頂点と評しても過言ではない傑作でした。
ヤマト2の面白さは、もちろんテレザート星以降の息もつかせぬ劇的なストーリー展開に尽きるのですが、それ以外にもヤマト2の成功を決定的にした劇場版からの大きな変更点があります。
それは、土方竜のヤマト艦長から連合艦隊総司令への配置転換です。
ヤマトシリーズは魅力的なキャラクター群はともかく、ストーリーは極めて大味かつワンパターンであり、偉大な老艦長の指導、そしてその死を乗り越えて成長する若者達という内容の繰り返しです。
これはヤマトの派生作品のブルーノアもそうであり、もっと言えば戦前の日米未来戦からの着想であり、西崎氏の趣味なんでしょう。
それは構わないのですが、作劇の都合から古代たちはいつまでも若者でないと困ることになり、その結果、シリーズを重ねるごとに年表がとんでもなく変になってしまいました。(特に3と完結編)
永遠にを初めてビデオで見た時、また新しい艦長が現れたのを見て、2や旅立ちの後で成長しきった古代達に、今更新しい艦長って必要なのかというのが最初に私が感じた印象でした。(でも、山南艦長はいい艦長でした)
そんな中、西崎氏の影響がそれほど大きくなかったらしい2では、西崎イズムから大胆な変更がなされ、ヤマトの艦長は古代となり、総司令になった土方とのドラマが描かれることになりました。
2の時点で古代はすでに若きリーダーとして乗組員達から支持されており、真田さんと徳川さんが両脇をがっちり支えてくれているので、ヤマトに新しい艦長を置く必然性はもうなくなっているんですね。
それに変わって、古代は連合艦隊に組み込まれたヤマトの若き艦長として、土方の期待と信頼に応えるという新しいステージでの成長がテーマになりました。
乗組員と艦長の成長物語から艦長と司令官の成長物語へのスライドは、前作から続くストーリーとしてあまりにも自然であり、作戦を任されて、責任の重大さから神経をピリピリさせる古代の描写と、そんな古代を理解しバックアップするヤマトクルーの描写は2独特のものです。
ですが、そんなヤマト艦内の変化以上に注意を引くのは、連合艦隊総司令というポストについた土方さんの圧倒的存在感です。
2を視た限り、ヤマトの艦長というポストはハッキリ言って役不足だったと言わざるを得ません。
土方さんは連合艦隊総司令になっても相変わらず、説明しない有無を言わせぬ独断的な作戦指導をしているんですが、それを押し通してしまう土方さんの迫力が画面越しにも伝わってきますからね。
これほどの緊張感を周囲に与える土方さんは、もう一艦長の器じゃないと思います。
そんな土方総司令が古代とヤマトクルーのことをすごく評価していて、そういう描写のおかげで連合艦隊旗下の一戦闘艦という非常に珍しい立場になったヤマトに全然違和感を感じないんですよね。
最後に、土方総司令の功罪について少し評価したいと思います。
司令部を無視して全艦隊を集結させた判断を軍規に照らしたりはせずに、純粋に戦略的に評価します。
白色彗星の前衛艦隊は強大であり、これと互角に戦うためには地球側の全ての戦闘艦を集結させる必要があるというのが土方総司令の判断でした。
戦力を集中すれば強力な戦闘部隊が完成するのは道理であり、目の前の前衛艦隊に対しては有効な戦略だったと言えます。
ですが、戦力の集中がもたらす甚大なリスク、つまり作戦が失敗した時には戦力の大部分を一気に失うという巨大なリスクを、土方総司令は無視しました。
戦力を集結すれば、それは敵に対して大きな攻撃目標を与えることにもなります。
白色彗星帝国の圧倒的軍事力に対して地球側がどのような戦略をとるのが正解だったかを論じるのは、私の能力では無理なので、結果だけを論じます。
前衛艦隊を迎撃するために地球の全戦闘艦が集結しましたが、彗星帝国の視点から見れば、これは前衛艦隊を餌にして地球側の全ての機動戦力をおびき出した形になります。
前衛艦隊が勝利すればよし、たとえ敗北したとしても、彗星帝国本体でこの集結した地球艦隊を撃滅すれば、帝国にとっての脅威は全て一掃されることになります。
事実、この作戦で地球側は全機動戦力を失い、彗星帝国に対して一切の軍事作戦が不可能になり、無条件降伏しました。
地球艦隊が壊滅した時の彗星帝国側の絵はありませんでしたが、ズォーダー大帝は思う壺にはまったと高笑いしていたでしょうね。
ヤマトシリーズで誰が好きかと問われれば、私は迷わずヤマト2の土方総司令を上げます。
全ヤマトシリーズの中でもヤマト2は桁外れに面白く、最終回でウンコを投げつけてこなければ、数多のTVアニメの中で頂点と評しても過言ではない傑作でした。
ヤマト2の面白さは、もちろんテレザート星以降の息もつかせぬ劇的なストーリー展開に尽きるのですが、それ以外にもヤマト2の成功を決定的にした劇場版からの大きな変更点があります。
それは、土方竜のヤマト艦長から連合艦隊総司令への配置転換です。
ヤマトシリーズは魅力的なキャラクター群はともかく、ストーリーは極めて大味かつワンパターンであり、偉大な老艦長の指導、そしてその死を乗り越えて成長する若者達という内容の繰り返しです。
これはヤマトの派生作品のブルーノアもそうであり、もっと言えば戦前の日米未来戦からの着想であり、西崎氏の趣味なんでしょう。
それは構わないのですが、作劇の都合から古代たちはいつまでも若者でないと困ることになり、その結果、シリーズを重ねるごとに年表がとんでもなく変になってしまいました。(特に3と完結編)
永遠にを初めてビデオで見た時、また新しい艦長が現れたのを見て、2や旅立ちの後で成長しきった古代達に、今更新しい艦長って必要なのかというのが最初に私が感じた印象でした。(でも、山南艦長はいい艦長でした)
そんな中、西崎氏の影響がそれほど大きくなかったらしい2では、西崎イズムから大胆な変更がなされ、ヤマトの艦長は古代となり、総司令になった土方とのドラマが描かれることになりました。
2の時点で古代はすでに若きリーダーとして乗組員達から支持されており、真田さんと徳川さんが両脇をがっちり支えてくれているので、ヤマトに新しい艦長を置く必然性はもうなくなっているんですね。
それに変わって、古代は連合艦隊に組み込まれたヤマトの若き艦長として、土方の期待と信頼に応えるという新しいステージでの成長がテーマになりました。
乗組員と艦長の成長物語から艦長と司令官の成長物語へのスライドは、前作から続くストーリーとしてあまりにも自然であり、作戦を任されて、責任の重大さから神経をピリピリさせる古代の描写と、そんな古代を理解しバックアップするヤマトクルーの描写は2独特のものです。
ですが、そんなヤマト艦内の変化以上に注意を引くのは、連合艦隊総司令というポストについた土方さんの圧倒的存在感です。
2を視た限り、ヤマトの艦長というポストはハッキリ言って役不足だったと言わざるを得ません。
土方さんは連合艦隊総司令になっても相変わらず、説明しない有無を言わせぬ独断的な作戦指導をしているんですが、それを押し通してしまう土方さんの迫力が画面越しにも伝わってきますからね。
これほどの緊張感を周囲に与える土方さんは、もう一艦長の器じゃないと思います。
そんな土方総司令が古代とヤマトクルーのことをすごく評価していて、そういう描写のおかげで連合艦隊旗下の一戦闘艦という非常に珍しい立場になったヤマトに全然違和感を感じないんですよね。
最後に、土方総司令の功罪について少し評価したいと思います。
司令部を無視して全艦隊を集結させた判断を軍規に照らしたりはせずに、純粋に戦略的に評価します。
白色彗星の前衛艦隊は強大であり、これと互角に戦うためには地球側の全ての戦闘艦を集結させる必要があるというのが土方総司令の判断でした。
戦力を集中すれば強力な戦闘部隊が完成するのは道理であり、目の前の前衛艦隊に対しては有効な戦略だったと言えます。
ですが、戦力の集中がもたらす甚大なリスク、つまり作戦が失敗した時には戦力の大部分を一気に失うという巨大なリスクを、土方総司令は無視しました。
戦力を集結すれば、それは敵に対して大きな攻撃目標を与えることにもなります。
白色彗星帝国の圧倒的軍事力に対して地球側がどのような戦略をとるのが正解だったかを論じるのは、私の能力では無理なので、結果だけを論じます。
前衛艦隊を迎撃するために地球の全戦闘艦が集結しましたが、彗星帝国の視点から見れば、これは前衛艦隊を餌にして地球側の全ての機動戦力をおびき出した形になります。
前衛艦隊が勝利すればよし、たとえ敗北したとしても、彗星帝国本体でこの集結した地球艦隊を撃滅すれば、帝国にとっての脅威は全て一掃されることになります。
事実、この作戦で地球側は全機動戦力を失い、彗星帝国に対して一切の軍事作戦が不可能になり、無条件降伏しました。
地球艦隊が壊滅した時の彗星帝国側の絵はありませんでしたが、ズォーダー大帝は思う壺にはまったと高笑いしていたでしょうね。
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2021-03-01 02:26
Comments (3)
続き もちろん、ヤマトIIIみたいに最終回でその新主人公たちは死なない方向でww
View Repliesヤマト2のような路線で行けば、そのうち新しい主人公を迎え、古代たちは先輩クルーとして支える話が成立してたのかも知れないですね…