着たい色なんて選べない

「好きな色を着ろ」

お前が隊長だって期待して着せてくれた赤い衣装に、いろいろな色がぶちまけられていく。
青、緑、水色、ピンク、紫、オレンジ。

ーーー俺の着たい色ってなんだろう?

自由に選ばせてくれるフリをして、選びたいたったひとつだけはどうしても与えてもらえない。

着たい色、俺が着たいのはーーー

赤い衣装を見る。
ぶつけられた沢山の色がぐちゃぐちゃに混ざり合って、先輩たちからの期待は真っ黒の泥だらけになっていた。

☆・☆・☆

コメットショウを受けて。
「ここから、その色から始めるッスよ」という彼の姿が私にはこう見えたというお話でした。

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2021-04-05 04:10

 つきのうさぎ


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