【YUBI】リュカ【モグラ】
素敵企画様:YUBI【illust/87999821】に参加させていただきます。
※15歳以上対象企画です
「父さんは“爵位”っていう、父さんにとって“価値のあるモノ”を金で手に入れた。だからオレも、オレにとって“価値があるモノ”を買うために金を稼ぐ。
その金を得るために何の商売をするかなんてのは、些末なことだと思わない?」
◆リュカ・デュブラン ―Lucas・Dublanc―
26歳/176cm
一人称:オレ・僕(相手により呼び分け)
二人称:キミ・あなた、~ちゃん・~さん、~様(同上)
表では宝飾品・化粧品類を取り扱う事業家、裏では表の商品を用いて人身売買用“商品”の仕上げを手掛ける青年。
◆素敵なご縁を賜りました…!(2021/4/29)
オレの可愛い“舞姫(特別)”
♥朱 焼燕さん【illust/88841698】(シャオちゃん、舞姫ちゃん⇒シャオ、シャオイェン)
暗夜を融かしたような艶やかな黒髪。
陶器を思わせる滑らかで白い肌。
それを飾る深紅との対比の美しさ。
喜怒哀楽が抜け落ちたような表情と、
たどたどしい言葉で自身を擲ってでも、
自由と舞台を渇望する積極性。
異国の雰囲気を纏うその少女は、ひどくオレの興味を惹いた。
この娘はきっと、ただの“商品”にするには惜しい。
「朱 焼燕。可愛い舞姫ちゃん。
オレがキミを買ってあげる」
---
「舞姫ちゃんに舞台を用意してあげる。
そこでオレのお客様相手に、得意の舞踏を披露すると良い。
キミみたいな綺麗で可愛い娘の舞う姿なら、きっと良い“余興”になる」
オレの“お客様”がどんな人物を指すのかも知らないで、簡単に是と首を縦に振る。
物事を深く考えもしない、扱いの楽な娘。
その考えに変化が生まれ始めたのは、何度目の面会の頃だったか。
「親代わりに売られて此処へ?…本人は攫われたって言ってたけどなァ」
ガーデンの職員との会話の流れ。
焼燕がここに至ったのは、親代わりだった雑技団の団長に売られたからだと。
本人も既知のことだと、そう聞かされ瞠目する。
その裏切りを知っていたのなら、恨むなり憎むなり、荒む方が簡単だったろうに。
「他者のために犠牲になれるなんて、舞姫ちゃんは健気で可愛そうな子だね」
そう揶揄したところで、宵闇を映すかのような静かな眸に怒気や不満の色はまるで見えない。
金のために他人を売るオレとは大違いだ、と。
出かかった余計な言葉は飲み込んだ。
---
「余興としての価値をしっかり示してくれるなら、衣食住とある程度の自由は保証してあげる。
その他は舞姫ちゃんの好きに過ごすといいよ」
交渉期間が明け漸く迎え入れた焼燕は、予想の通りすぐに“人気者”になった。
舞踏の技量も美しさも申し分なく、期待以上の働きを見せる焼燕に文句はない。
気になることがあるとするなら、『好きに過ごせ』をどう取り違えたのか、オレの姿が見える度に傍に寄ってきては、舞踏や雑技を披露してみたり 拙い言葉で懸命に話しかけてくることだろうか。
「オレは“お客様”じゃないんだから、顔を合わせる度に舞を披露したり機嫌を取ったりする必要はないよ」
「…舞姫ちゃんの身体能力が高いのは十分解った。けど、そんなに回ってばかりいたら今に転ぶ……あ。
はあ、言った傍から。大丈夫?怪我してないだろうね?」
「ほら、立てる……ぷっ、ふふ。髪食べてる。どんな勢いで転べばそうなるんだか」
目の前で繰り返される幼子のような振舞いと拙い言動を前に、
ほとんど無意識に零れ落ちた“それ”を見て、何を思ったのか。
「嬉しい?オレが笑うのが?」
オレが笑うのが嬉しいと宣う、焼燕の反応が理解できず瞬く。
「キミを金で買って、その上で金儲けの一環として使ってるような男に笑って欲しいなんて。
普通の子は思わないんだけどなァ」
焼燕に舞台を与えたのは、ただの金儲けの一環。
そこに焼燕を慮る気持ちは微塵もなく、好かれる態度をとった覚えもない。
表向きの笑顔を張り付けて、数えきれないほどの“商品”を扱って。
自分のために、金のために他者を犠牲にしてきた。
焼燕とは正反対の性質の、ただの雇用主でしかないオレを喜ばせるために
焼燕が日々心を砕いているなんて、そんなことが
「…本当、シャオちゃんは変わった子だね」
その献身性に救われた…とまでは言わない。
けれど、オレが笑えば同じように嬉しそうにする焼燕を見る度、これまでとは違う種類の感情が積もっていくのを確かに感じていた。
---
裏での仕事時だけでなく普段から傍に置きたいと思う頃には、オレにとっての焼燕の価値は、もはや金では量れなくなっていた。
焼燕からオレへ向けられる感情も、ただの主人へのそれだけではない好意が少なからずある気がして、一層離れがたいと思う。
「シャオ。調子が悪いときは無理して客前に出なくて良いよ。
そんなことでキミを捨てたりしないって、何度も言ったじゃない」
「もういっそ余興役じゃなく――オレの特別にしてあげようか?」
時折不安げに揺れる眸の憂いを祓いたくて問いたそれに、『それでリュカが嬉しいと思うのなら』と、焼燕は頷いた。
オレが与えたものを素直に身に纏い、オレが微笑むことを喜んで。
その健気さが愛おしくもあり、同時に可愛そうで仕方がない。
本当ならその名に冠する渡り鳥のように、本能的な自由を求めていることも。
オレへ向ける好意の下に、未だ消えない捨てられることへの苦悩を隠していることも。
享受するだけの日々に窮屈さを感じていることも、全部知っている。
――それでも。
キミをオレの特別にしていいと
自由を求めるその心すらオレの執着で塗りつぶして欲しいと
キミがそう口にしたから。
「シャオ。シャオイェン。オレの傍においで」
『シャオイェン』と、この地のものではないその響きにさえ、愛おしさを覚える。
「シャオイェン、オレの特別。この先何があっても――例えキミが望まなくても。
オレは絶対にキミを手放さないから」
「オレの用意したモノを纏って、オレの色に染まって。
オレだけのシャオイェンになるといい」
オレが見つけて、連れ出して、手中にしまった特別。
オレの可愛い舞姫。オレだけの愛しい籠の小鳥。
---
5/6 23:01…お預かりしておりましたメッセージに返信をいたしました。
---
メッセージの送受信状況はその都度キャプション下部にてご連絡いたします。
48時間を過ぎても反応・返信のない場合はメッセージ障害の可能性がございますため、大変お手数ですが同内容のメッセージをご再送ください。
不備・問題などございましたら、お手数ですがご連絡いただけますと幸いです。
※15歳以上対象企画です
「父さんは“爵位”っていう、父さんにとって“価値のあるモノ”を金で手に入れた。だからオレも、オレにとって“価値があるモノ”を買うために金を稼ぐ。
その金を得るために何の商売をするかなんてのは、些末なことだと思わない?」
◆リュカ・デュブラン ―Lucas・Dublanc―
26歳/176cm
一人称:オレ・僕(相手により呼び分け)
二人称:キミ・あなた、~ちゃん・~さん、~様(同上)
表では宝飾品・化粧品類を取り扱う事業家、裏では表の商品を用いて人身売買用“商品”の仕上げを手掛ける青年。
◆素敵なご縁を賜りました…!(2021/4/29)
オレの可愛い“舞姫(特別)”
♥朱 焼燕さん【illust/88841698】(シャオちゃん、舞姫ちゃん⇒シャオ、シャオイェン)
暗夜を融かしたような艶やかな黒髪。
陶器を思わせる滑らかで白い肌。
それを飾る深紅との対比の美しさ。
喜怒哀楽が抜け落ちたような表情と、
たどたどしい言葉で自身を擲ってでも、
自由と舞台を渇望する積極性。
異国の雰囲気を纏うその少女は、ひどくオレの興味を惹いた。
この娘はきっと、ただの“商品”にするには惜しい。
「朱 焼燕。可愛い舞姫ちゃん。
オレがキミを買ってあげる」
---
「舞姫ちゃんに舞台を用意してあげる。
そこでオレのお客様相手に、得意の舞踏を披露すると良い。
キミみたいな綺麗で可愛い娘の舞う姿なら、きっと良い“余興”になる」
オレの“お客様”がどんな人物を指すのかも知らないで、簡単に是と首を縦に振る。
物事を深く考えもしない、扱いの楽な娘。
その考えに変化が生まれ始めたのは、何度目の面会の頃だったか。
「親代わりに売られて此処へ?…本人は攫われたって言ってたけどなァ」
ガーデンの職員との会話の流れ。
焼燕がここに至ったのは、親代わりだった雑技団の団長に売られたからだと。
本人も既知のことだと、そう聞かされ瞠目する。
その裏切りを知っていたのなら、恨むなり憎むなり、荒む方が簡単だったろうに。
「他者のために犠牲になれるなんて、舞姫ちゃんは健気で可愛そうな子だね」
そう揶揄したところで、宵闇を映すかのような静かな眸に怒気や不満の色はまるで見えない。
金のために他人を売るオレとは大違いだ、と。
出かかった余計な言葉は飲み込んだ。
---
「余興としての価値をしっかり示してくれるなら、衣食住とある程度の自由は保証してあげる。
その他は舞姫ちゃんの好きに過ごすといいよ」
交渉期間が明け漸く迎え入れた焼燕は、予想の通りすぐに“人気者”になった。
舞踏の技量も美しさも申し分なく、期待以上の働きを見せる焼燕に文句はない。
気になることがあるとするなら、『好きに過ごせ』をどう取り違えたのか、オレの姿が見える度に傍に寄ってきては、舞踏や雑技を披露してみたり 拙い言葉で懸命に話しかけてくることだろうか。
「オレは“お客様”じゃないんだから、顔を合わせる度に舞を披露したり機嫌を取ったりする必要はないよ」
「…舞姫ちゃんの身体能力が高いのは十分解った。けど、そんなに回ってばかりいたら今に転ぶ……あ。
はあ、言った傍から。大丈夫?怪我してないだろうね?」
「ほら、立てる……ぷっ、ふふ。髪食べてる。どんな勢いで転べばそうなるんだか」
目の前で繰り返される幼子のような振舞いと拙い言動を前に、
ほとんど無意識に零れ落ちた“それ”を見て、何を思ったのか。
「嬉しい?オレが笑うのが?」
オレが笑うのが嬉しいと宣う、焼燕の反応が理解できず瞬く。
「キミを金で買って、その上で金儲けの一環として使ってるような男に笑って欲しいなんて。
普通の子は思わないんだけどなァ」
焼燕に舞台を与えたのは、ただの金儲けの一環。
そこに焼燕を慮る気持ちは微塵もなく、好かれる態度をとった覚えもない。
表向きの笑顔を張り付けて、数えきれないほどの“商品”を扱って。
自分のために、金のために他者を犠牲にしてきた。
焼燕とは正反対の性質の、ただの雇用主でしかないオレを喜ばせるために
焼燕が日々心を砕いているなんて、そんなことが
「…本当、シャオちゃんは変わった子だね」
その献身性に救われた…とまでは言わない。
けれど、オレが笑えば同じように嬉しそうにする焼燕を見る度、これまでとは違う種類の感情が積もっていくのを確かに感じていた。
---
裏での仕事時だけでなく普段から傍に置きたいと思う頃には、オレにとっての焼燕の価値は、もはや金では量れなくなっていた。
焼燕からオレへ向けられる感情も、ただの主人へのそれだけではない好意が少なからずある気がして、一層離れがたいと思う。
「シャオ。調子が悪いときは無理して客前に出なくて良いよ。
そんなことでキミを捨てたりしないって、何度も言ったじゃない」
「もういっそ余興役じゃなく――オレの特別にしてあげようか?」
時折不安げに揺れる眸の憂いを祓いたくて問いたそれに、『それでリュカが嬉しいと思うのなら』と、焼燕は頷いた。
オレが与えたものを素直に身に纏い、オレが微笑むことを喜んで。
その健気さが愛おしくもあり、同時に可愛そうで仕方がない。
本当ならその名に冠する渡り鳥のように、本能的な自由を求めていることも。
オレへ向ける好意の下に、未だ消えない捨てられることへの苦悩を隠していることも。
享受するだけの日々に窮屈さを感じていることも、全部知っている。
――それでも。
キミをオレの特別にしていいと
自由を求めるその心すらオレの執着で塗りつぶして欲しいと
キミがそう口にしたから。
「シャオ。シャオイェン。オレの傍においで」
『シャオイェン』と、この地のものではないその響きにさえ、愛おしさを覚える。
「シャオイェン、オレの特別。この先何があっても――例えキミが望まなくても。
オレは絶対にキミを手放さないから」
「オレの用意したモノを纏って、オレの色に染まって。
オレだけのシャオイェンになるといい」
オレが見つけて、連れ出して、手中にしまった特別。
オレの可愛い舞姫。オレだけの愛しい籠の小鳥。
---
5/6 23:01…お預かりしておりましたメッセージに返信をいたしました。
---
メッセージの送受信状況はその都度キャプション下部にてご連絡いたします。
48時間を過ぎても反応・返信のない場合はメッセージ障害の可能性がございますため、大変お手数ですが同内容のメッセージをご再送ください。
不備・問題などございましたら、お手数ですがご連絡いただけますと幸いです。
23
41
1675
2021-04-20 21:13
Comments (0)
No comments