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のだが。
あの少女とあの人が二人きりでなかった。
両方に気づけなかった三つ目の人。。。いいえ、厳密に言えば「人」ではなかった。
ただの人型魔物――そう、それこそが天魔級魔物だった。
でも、何もしなかった。
ただ、その目で見つめただけ。
そして、腐った唇を開いちゃった時、その口から来た言葉が―
「悪意尊【イズクンゾイノミコト】。。。何を考えている?」
感情のない声。ただ、見ただけ。そのよくわからぬ、女か男かさえわからぬ魔物の姿はただ見つめているまま消えたしまった。

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2021-08-11 10:03

 Gentlecat


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