【オリロボBB】ブレイクスルー・シークエンス【交流】
「フッ・・・俺たちの狙いがわかっているようだね」
「我が使命、阻むというならば押し通るまで」
テメンニルゲルが繰り出す雨霰の対空砲火を掻い潜り突出するのは、
カイトのアルヴァレーヴァと、ハルマのオメガレイジ。
射程範囲内の砲台をアヴァランチマグナムとヘヴンズオーダーで
次々に粉砕しながら急接近する機影を迎え撃つべく、
タイタンを模した多脚戦車が接近してくる。
「タイタンマスターズの者達のグランドタイタンか。存外に聡い」
「工藤倫を捕縛したという連中か・・・どれ」
胸、腕、腰の大口径砲の迎撃は有効範囲が広い。
一斉発射で張られた弾幕を、クーレストグレイシャーの瞬間加速で
突破したアルヴァレーヴァが、砲撃直後の胸の砲門の一つへ銃口をねじ込む。
「行き合った縁だ。ご挨拶くらいはさせていただこうか!」
フルチャージの弾丸が内部で炸裂し、砲台を一基無力化する。
零距離を飛び回るアルヴァレーヴァを捕捉しようと躍起になる
マスターズの一人が頭部ハッチを開いたその脇から、ひらりと舞い降りた
オメガレイジがグランドタイタン内部へ飛び込む。
「リン、と言ったか。我々だけでは解放は叶うまいが、
皆も救出の手筈を整えている。今しばらくの辛抱だ」
小柄なマスターズ達に混じって拘束された倫に一声かけ、
操縦席内でオメガレイジが暴れ回る。
侵入したオメガレイジを捕らえようと躍起になるマスターズの手を
苦もなく掻い潜って放つ蒼刃が操縦席のスイッチを次々に破壊する。
迎撃の拳銃の照準を巧みに誘導し、窓ガラスを砕かせると、
その穴からするりと抜けて機外へと退避する。
こちらを探し回るグランドタイタンを尻目に、背後へ抜けた二機の前に、
次はテメンニルゲルの巨大な脚部が肉薄する。
それ自体が、装甲よりも武装と発着ゲートの充実に注力して設計された、
テメンニルゲル側面を防御する盾の役割も担う脚部。
その前面には大型のロケットランチャーやミサイル砲台が密集している。
放出されたコンテナミサイルから、さらなるミサイル弾幕が展開されて
2機を包囲する。
「それでは姫。一曲お願いしましょうか」
「私のステップに合わせられるならな」
空宙で背中合わせになったアルヴァレーヴァとオメガレイジが、
その位置関係をピッタリと維持したまま縦横無尽に空を駆け巡り、
迫るミサイル群を片っ端から撃ち落としていく。
ついでとばかり、次弾を装填されたミサイルサイロに一撃を加え、
脚部の一部を爆破。振り上げられた脚部の上を駆け抜け、
左右から挟み込むように脚部関節に一斉攻撃。
駆動部に内蔵されたアニマコアを破壊する。
脚部裏側そのものを背後にすることでテメンニルゲル側面の砲台からの
迎撃を抑制しつつ自由落下。
その軌跡を交錯させながら地表スレスレで急上昇し、
地表面付近から砲台を粉砕しながら遡上、手近の発着ゲートへと殺到する。
その入り口を塞ぐのは、大型のシールドで前面を防御したタイタン・フォート。
降り注ぐ垂直発射ミサイルの雨をかいくぐり、勢いを一切殺すことなく
突撃した2機は、
「邪ぁ魔だぜぇええええッ!!」
「バラバラになっちゃえーーーっ!!」
オーバーヒートプロミネンスとディゾルブ・デビルへと変形。
盾の上から強引にねじ込んだアルヴァレーヴァの鉄拳が
シールド諸共にタイタン・フォートを爆砕すると、
その奥に控えていたタイタン・バーナーが火を吹くよりも早く、
飛び込んだオメガレイジの血爪が敵陣をバラバラに引き裂く。
怒涛の勢いで要塞内部へなだれ込んだ2機が、
内部の工廠施設を破壊しようとしたところで、ピタリとその動きを止める。
その眼前には、異様な光景が広がっていた。
壁面、天井、床を問わず。
腐肉色の生々しい長い首の先に張り付いた、蒼白な人面が、
まるでキノコのように内部に密生していたのだ。
・・・有恵ないかが制作していたオプションヘッドパーツの一つを、
テメンニルゲルが回収し、複製したのだろう。
それが、人間に与える心理的影響までも、理解した上で。
「ァ・・・・」
「アッ・・・アッ・・・」
「アァァアアァ・・・」
不気味に整った口から漏れる無駄にいい声の呻きが、
狭い内部空間に幾重にも木霊する。
「「・・・」」
鉄拳の連打。
血爪の乱舞。
無言のうちに、目につく人面を片っぱしから粉砕する。
この悪魔的存在を、捨て置くことは断じてできない。
改めて認識した二人は、心を無にして機械のように殲滅を遂行する。
その光景が心に染み付いてトラウマになってしまう前に。
潰しても潰してもそこらじゅうから生えてくる人面。
次第に再生産が追いつかなくなってきたのか、
だんだん顔の造形が崩れて、人間離れした
クリーチャーになっていくのが余計に怖い。
人体への雑な理解のせいで、目の位置がおかしいやつ、
口がデカすぎるやつ、首の関節がねじ曲がってるやつなど
直視していると頭がおかしくなりそうな異形が次から次へと襲いかかってくる。
もはや、二人の正気が砕け散るのが先か、
自動工場の生産能力が追いつかなくなるのが先かの戦いであった。
周囲一帯が、破壊された人面の破片で埋め尽くされる頃、
ようやくにして増援の気配が収まる。
肩を激しく上下させて荒い息をつく二人の前に、
さらなる首が迫る・・・
「いやーーーーッ!!もうやめてぇぇぇぇ!?」
「待て!暴れるんじゃねぇ!!・・・よく見ろ」
オメガレイジの前に割り込んだアルヴァレーヴァの拳が打ち払った首は、
黄金の龍を象ったものだった。
その根本を辿ると現れたのは、八岐大蛇の如き
無数の黄金の龍を背に従えた紅華吹雪の改造機、
金色九龍吹雪だった。
「どうやら、こいつがここの守りの要みたいだね!」
やっとまともな敵が出てきてくれた・・・
むしろ一抹の安堵さえ覚えながら、二人は戦闘態勢を取る。
「いいぜ。お前みたいな奴の相手なら、いくらでもやってやる!!」
「我が使命、阻むというならば押し通るまで」
テメンニルゲルが繰り出す雨霰の対空砲火を掻い潜り突出するのは、
カイトのアルヴァレーヴァと、ハルマのオメガレイジ。
射程範囲内の砲台をアヴァランチマグナムとヘヴンズオーダーで
次々に粉砕しながら急接近する機影を迎え撃つべく、
タイタンを模した多脚戦車が接近してくる。
「タイタンマスターズの者達のグランドタイタンか。存外に聡い」
「工藤倫を捕縛したという連中か・・・どれ」
胸、腕、腰の大口径砲の迎撃は有効範囲が広い。
一斉発射で張られた弾幕を、クーレストグレイシャーの瞬間加速で
突破したアルヴァレーヴァが、砲撃直後の胸の砲門の一つへ銃口をねじ込む。
「行き合った縁だ。ご挨拶くらいはさせていただこうか!」
フルチャージの弾丸が内部で炸裂し、砲台を一基無力化する。
零距離を飛び回るアルヴァレーヴァを捕捉しようと躍起になる
マスターズの一人が頭部ハッチを開いたその脇から、ひらりと舞い降りた
オメガレイジがグランドタイタン内部へ飛び込む。
「リン、と言ったか。我々だけでは解放は叶うまいが、
皆も救出の手筈を整えている。今しばらくの辛抱だ」
小柄なマスターズ達に混じって拘束された倫に一声かけ、
操縦席内でオメガレイジが暴れ回る。
侵入したオメガレイジを捕らえようと躍起になるマスターズの手を
苦もなく掻い潜って放つ蒼刃が操縦席のスイッチを次々に破壊する。
迎撃の拳銃の照準を巧みに誘導し、窓ガラスを砕かせると、
その穴からするりと抜けて機外へと退避する。
こちらを探し回るグランドタイタンを尻目に、背後へ抜けた二機の前に、
次はテメンニルゲルの巨大な脚部が肉薄する。
それ自体が、装甲よりも武装と発着ゲートの充実に注力して設計された、
テメンニルゲル側面を防御する盾の役割も担う脚部。
その前面には大型のロケットランチャーやミサイル砲台が密集している。
放出されたコンテナミサイルから、さらなるミサイル弾幕が展開されて
2機を包囲する。
「それでは姫。一曲お願いしましょうか」
「私のステップに合わせられるならな」
空宙で背中合わせになったアルヴァレーヴァとオメガレイジが、
その位置関係をピッタリと維持したまま縦横無尽に空を駆け巡り、
迫るミサイル群を片っ端から撃ち落としていく。
ついでとばかり、次弾を装填されたミサイルサイロに一撃を加え、
脚部の一部を爆破。振り上げられた脚部の上を駆け抜け、
左右から挟み込むように脚部関節に一斉攻撃。
駆動部に内蔵されたアニマコアを破壊する。
脚部裏側そのものを背後にすることでテメンニルゲル側面の砲台からの
迎撃を抑制しつつ自由落下。
その軌跡を交錯させながら地表スレスレで急上昇し、
地表面付近から砲台を粉砕しながら遡上、手近の発着ゲートへと殺到する。
その入り口を塞ぐのは、大型のシールドで前面を防御したタイタン・フォート。
降り注ぐ垂直発射ミサイルの雨をかいくぐり、勢いを一切殺すことなく
突撃した2機は、
「邪ぁ魔だぜぇええええッ!!」
「バラバラになっちゃえーーーっ!!」
オーバーヒートプロミネンスとディゾルブ・デビルへと変形。
盾の上から強引にねじ込んだアルヴァレーヴァの鉄拳が
シールド諸共にタイタン・フォートを爆砕すると、
その奥に控えていたタイタン・バーナーが火を吹くよりも早く、
飛び込んだオメガレイジの血爪が敵陣をバラバラに引き裂く。
怒涛の勢いで要塞内部へなだれ込んだ2機が、
内部の工廠施設を破壊しようとしたところで、ピタリとその動きを止める。
その眼前には、異様な光景が広がっていた。
壁面、天井、床を問わず。
腐肉色の生々しい長い首の先に張り付いた、蒼白な人面が、
まるでキノコのように内部に密生していたのだ。
・・・有恵ないかが制作していたオプションヘッドパーツの一つを、
テメンニルゲルが回収し、複製したのだろう。
それが、人間に与える心理的影響までも、理解した上で。
「ァ・・・・」
「アッ・・・アッ・・・」
「アァァアアァ・・・」
不気味に整った口から漏れる無駄にいい声の呻きが、
狭い内部空間に幾重にも木霊する。
「「・・・」」
鉄拳の連打。
血爪の乱舞。
無言のうちに、目につく人面を片っぱしから粉砕する。
この悪魔的存在を、捨て置くことは断じてできない。
改めて認識した二人は、心を無にして機械のように殲滅を遂行する。
その光景が心に染み付いてトラウマになってしまう前に。
潰しても潰してもそこらじゅうから生えてくる人面。
次第に再生産が追いつかなくなってきたのか、
だんだん顔の造形が崩れて、人間離れした
クリーチャーになっていくのが余計に怖い。
人体への雑な理解のせいで、目の位置がおかしいやつ、
口がデカすぎるやつ、首の関節がねじ曲がってるやつなど
直視していると頭がおかしくなりそうな異形が次から次へと襲いかかってくる。
もはや、二人の正気が砕け散るのが先か、
自動工場の生産能力が追いつかなくなるのが先かの戦いであった。
周囲一帯が、破壊された人面の破片で埋め尽くされる頃、
ようやくにして増援の気配が収まる。
肩を激しく上下させて荒い息をつく二人の前に、
さらなる首が迫る・・・
「いやーーーーッ!!もうやめてぇぇぇぇ!?」
「待て!暴れるんじゃねぇ!!・・・よく見ろ」
オメガレイジの前に割り込んだアルヴァレーヴァの拳が打ち払った首は、
黄金の龍を象ったものだった。
その根本を辿ると現れたのは、八岐大蛇の如き
無数の黄金の龍を背に従えた紅華吹雪の改造機、
金色九龍吹雪だった。
「どうやら、こいつがここの守りの要みたいだね!」
やっとまともな敵が出てきてくれた・・・
むしろ一抹の安堵さえ覚えながら、二人は戦闘態勢を取る。
「いいぜ。お前みたいな奴の相手なら、いくらでもやってやる!!」
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2021-09-03 14:06
Comments (22)
アニサキスのこ顔はそれぞれ個性がありますね。
View Repliesちょっと今またメッセージの送信機能がおかしいため、こちらのコメントに私信を送らせていただきます。申し訳ない。 拝読しました。問題なしです! アニサキスの救済までも…!!
View Repliesありがとうございます! 拾われたと思ったら見覚えの無い顔まで増えてたでござったwww
View Replies敵の要塞に突入したら、謎のクリーチャーに浸食されていた...! ブレナン教授の描いた未来とはまさか...
View Replies交流絵がいつの間にかクトゥルフ trpgみたいになっとるw
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