夕暮れ時の会話 Growth of the mind
ここはモンストピア。
地球とは異なる別宇宙の惑星。
地球とは異なる物理法則と生態系が、
この惑星を支配している。
その惑星に、私はいる。
地球と異なる別世界に私はいる。
Dr.トラウムからの依頼で、
私はこの世界に赴くことになった。
目的は、この惑星の生態系及び、
自然環境や風土気候を調査し、
データを収集することだった。
勿論、向こうは大型特異生物。
通称「怪獣」が多数生息する世界。
アンドロイドの私でも万が一という事はある。
従って、私にはパートナーが同行することになった。
それは、私と同じくDr.トラウムが作り出した、
Combat weapons No,74
コードネーム「メカゴジラ」
彼は元々、対怪獣用決戦兵器として
Dr.トラウムによって製造された大型戦闘兵器であり、
モンストピアに同行させるには適任だった。
私は彼と同行し、モンストピアに赴いた。
そして、今ここにいる。
<現在、危機的状況が発生する確率は2%。
南西方向1kmに大型特異生物2体を確認、
襲撃の可能性は0%。
要するに、今現在我々が襲撃される可能性は、
然程心配する必要は無いわけだ>
メカゴジラが、そう計算してくれた。
彼の人工知能は、私のよりさらに優秀だ。
彼がそういうのなら、今は取りあえず安全なのだろう。
<ところで、ルールー。
お前が今摂取しているのは果実の一種か?
ちゃんと害は無いか計算したか?
俺の計算や分析では、機体に不調をきたす可能性は、
今のところ0.01%だが>
「大丈夫。ちゃんと計算し分析した上で、
安全性を確認しました。
食べてみましたが、糖度は16.4度で
地球の柿によく似た果物で、
とても美味しいです」
<全く、お前も変わったな。
以前は人間的な食事に興味さえなかったのに、
今では野生の果実にすら手を出すようになった。
俺なんかは改良されたレーザー核融合炉のせいで、
30日間は補給なしで活動が出来てしまう。
お前みたいに食事すら出来る暇がないよ>
彼はそう答えた。
思えば、彼の言う通り
以前の私では食事だなんて考えられなかった。
食物を内部の器官で100%活動用の
エネルギーに変換出来るのだが、
そんな事をしなくても、一回の補充で
1か月は活動出来るのだ。
わざわざ食事をする必要性すらなかったのだ。
「思えば、はなやえみるに出合ったのが
切っ掛けだったのかもしれません。
彼女たちと交流を深め、学習し、
プリキュアとして共に戦い続けたことで、
私の人工知能に心というものが芽生えたのかもしれません。
だからこうして、人間的な活動が出来るのかもしれません」
<心か。俺にはまだ到底理解出来ない物だ。
大体、はなとかは矢鱈に五月蠅く煩わしい奴じゃないか。
行動も思想も理念も、余りに曖昧で非合理的で、
非効率的で非論理的ではないか。
そんなものに魅かれること自体俺には
未だに理解が出来ないよ>
彼はそう返した。
確かに彼の人工知能からしたら、
まだ理解できない物なのだろう。
私自身もそうだったのだから。
でも、彼自身も
「五月蠅い」「煩わしい」という
人間的な感情を抱いている所を見ると、
彼自身にも心が芽生えつつあるのかもしれない。
<それにしても煩わしい鳥類だなあ。
人の頭に勝手に一休みして迷惑極まりない。
頼むから排泄物とか出さないでくれよ。
汚れを落とすのが大変なんだから>
あらあら、
彼の頭部に小鳥たちが一休みし始めている。
彼の顔が物珍しいのかもしれない。
それをうっとおしがっている所を見ると、
矢張り彼も人間的になりつつあるのかもしれない。
そんな光景を眺めていると、
私の傍にリスのような小型哺乳類が近寄って来た。
頭や背中が苔のような緑色をしているが、
恐らく樹木に生えた苔に擬態して、
身を守るように進化したのだろう。
「貴方達も食べますか?
大丈夫、襲ったりしませんから」
最初は警戒していた彼らも、
果実に釣られたのか近寄って来た。
そしていつの間にか、
私と一緒に食事をしていた。
よく見たら可愛らしい姿をしていた。
リスに似ているからだろうか?
<可笑しいなあ。
俺の計算では野生化の動物が
人間に懐く可能性は0.0001%の筈だか、
こんな事があるものなのか?>
どうやら、彼の計算も完全ではない様だ。
例え生き物の行動パターンは予測できても、
心移りだけは予測は出来ない様だ。
私自身も、はなやそのご家族の心までは
完全に予想が出来なかったのだから。
私の心も、まだ不完全なのかもしれない。
彼の心がそうであるように、
私も彼も、まだ成長の途中だ。
果たして、私達の人工知能が
どこまで人間の心に近づけるのか?
これだけは、計算出来そうにもない。
地球とは異なる別宇宙の惑星。
地球とは異なる物理法則と生態系が、
この惑星を支配している。
その惑星に、私はいる。
地球と異なる別世界に私はいる。
Dr.トラウムからの依頼で、
私はこの世界に赴くことになった。
目的は、この惑星の生態系及び、
自然環境や風土気候を調査し、
データを収集することだった。
勿論、向こうは大型特異生物。
通称「怪獣」が多数生息する世界。
アンドロイドの私でも万が一という事はある。
従って、私にはパートナーが同行することになった。
それは、私と同じくDr.トラウムが作り出した、
Combat weapons No,74
コードネーム「メカゴジラ」
彼は元々、対怪獣用決戦兵器として
Dr.トラウムによって製造された大型戦闘兵器であり、
モンストピアに同行させるには適任だった。
私は彼と同行し、モンストピアに赴いた。
そして、今ここにいる。
<現在、危機的状況が発生する確率は2%。
南西方向1kmに大型特異生物2体を確認、
襲撃の可能性は0%。
要するに、今現在我々が襲撃される可能性は、
然程心配する必要は無いわけだ>
メカゴジラが、そう計算してくれた。
彼の人工知能は、私のよりさらに優秀だ。
彼がそういうのなら、今は取りあえず安全なのだろう。
<ところで、ルールー。
お前が今摂取しているのは果実の一種か?
ちゃんと害は無いか計算したか?
俺の計算や分析では、機体に不調をきたす可能性は、
今のところ0.01%だが>
「大丈夫。ちゃんと計算し分析した上で、
安全性を確認しました。
食べてみましたが、糖度は16.4度で
地球の柿によく似た果物で、
とても美味しいです」
<全く、お前も変わったな。
以前は人間的な食事に興味さえなかったのに、
今では野生の果実にすら手を出すようになった。
俺なんかは改良されたレーザー核融合炉のせいで、
30日間は補給なしで活動が出来てしまう。
お前みたいに食事すら出来る暇がないよ>
彼はそう答えた。
思えば、彼の言う通り
以前の私では食事だなんて考えられなかった。
食物を内部の器官で100%活動用の
エネルギーに変換出来るのだが、
そんな事をしなくても、一回の補充で
1か月は活動出来るのだ。
わざわざ食事をする必要性すらなかったのだ。
「思えば、はなやえみるに出合ったのが
切っ掛けだったのかもしれません。
彼女たちと交流を深め、学習し、
プリキュアとして共に戦い続けたことで、
私の人工知能に心というものが芽生えたのかもしれません。
だからこうして、人間的な活動が出来るのかもしれません」
<心か。俺にはまだ到底理解出来ない物だ。
大体、はなとかは矢鱈に五月蠅く煩わしい奴じゃないか。
行動も思想も理念も、余りに曖昧で非合理的で、
非効率的で非論理的ではないか。
そんなものに魅かれること自体俺には
未だに理解が出来ないよ>
彼はそう返した。
確かに彼の人工知能からしたら、
まだ理解できない物なのだろう。
私自身もそうだったのだから。
でも、彼自身も
「五月蠅い」「煩わしい」という
人間的な感情を抱いている所を見ると、
彼自身にも心が芽生えつつあるのかもしれない。
<それにしても煩わしい鳥類だなあ。
人の頭に勝手に一休みして迷惑極まりない。
頼むから排泄物とか出さないでくれよ。
汚れを落とすのが大変なんだから>
あらあら、
彼の頭部に小鳥たちが一休みし始めている。
彼の顔が物珍しいのかもしれない。
それをうっとおしがっている所を見ると、
矢張り彼も人間的になりつつあるのかもしれない。
そんな光景を眺めていると、
私の傍にリスのような小型哺乳類が近寄って来た。
頭や背中が苔のような緑色をしているが、
恐らく樹木に生えた苔に擬態して、
身を守るように進化したのだろう。
「貴方達も食べますか?
大丈夫、襲ったりしませんから」
最初は警戒していた彼らも、
果実に釣られたのか近寄って来た。
そしていつの間にか、
私と一緒に食事をしていた。
よく見たら可愛らしい姿をしていた。
リスに似ているからだろうか?
<可笑しいなあ。
俺の計算では野生化の動物が
人間に懐く可能性は0.0001%の筈だか、
こんな事があるものなのか?>
どうやら、彼の計算も完全ではない様だ。
例え生き物の行動パターンは予測できても、
心移りだけは予測は出来ない様だ。
私自身も、はなやそのご家族の心までは
完全に予想が出来なかったのだから。
私の心も、まだ不完全なのかもしれない。
彼の心がそうであるように、
私も彼も、まだ成長の途中だ。
果たして、私達の人工知能が
どこまで人間の心に近づけるのか?
これだけは、計算出来そうにもない。
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2021-11-24 18:41
Comments (23)
メカゴジラの後ろを飛んでいるのは、まさかワーバットですか⁉︎
View Replies桂(メカゴジラの逆襲)「…」
View Repliesなるほど、この女の子もサイボーグだったのですね。造られた生命無き機械の方が、世間を騒がれている輩よりもよっぽど血の通った生き物らしいのは皮肉ですね。
View Replies他の人も言ってるけどブラックキングっぽいお顔ね!
View Replies嘗て、『BIG BOSS』と呼ばれた男は言った。 「システムとは、規範の繰返しでしか無い、規範を超えた突然変異…それが命だ」と。 この二人の会話を聞いてると、ある意味その通りだと思いますね
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