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産業革命期の非正規雇用労働者たち


紡績機が糸の価格を低下させたことで、織工たちが、一時的に、いい商売を満喫したのも束の間、織機が登場し、一挙に織工たちを駆逐した。大量の、様々な布が生産され、世界の市場を席巻、その織機を動かす労働者は、もう誰でもよかった。その中心的役割を果たしたのは、女工さんたちである。縦横の糸をセットし、機械を稼働させれば、後は機械が布を短時間で生産する。その繰り返しの単純作業は、何の熟練も、経験も、人間的努力も不要である。次の機械の準備をするだけのことである。如何なる布を製作するのかも、単純な労働で、決められる。どの糸の組み合わせか、時に別の糸を組ませるかも単に機械の設定で済む。新たな布の模様を、新たな繊維の組み合わせを指定するのは特定の技術者の仕事で、資本家の便利屋、デザイナーとか、プランナーとか、セールスマンが決める。いつでも解雇し交換できる、それが、織物女工 非正規雇用労働者であり、男性労働者の半分以下の賃金で、同じ生産量を産出するのだから、資本家にとっては、資本拡大を図る上で、願ったり叶ったりの安い労働力商品であり、その活用を図るために、機械という不変資本を利用する。機械が止まってしまえば、この仕組みが止まり、資本拡大も止まる。機械打ち壊しとか、ストライキを排除するためにも、そんな意図を示す労働者は、排除し、従順なる女工の短期間での更新こそを、この資本主義社会の基本に据えるのは、資本家の本性そのものとなった。だから賃金の上昇もない。それでも文句を言い立てる女工が現れれば、ロボットに置き換える。それが何の問題もなく実現すれば、資本家たちの極楽浄土か神の国か資本の園が成立するのだが、なかなかそれが叶わない。一つは少子化であり、もう一つはロボット開発がそうは問屋が卸さないからだ。新資本主義とかで、労働者の賃金をいくらかでも上げて、資本と労働者間の収益分配を進めるとかで、お茶を濁す方に追われる。女工や児童労働者より安いロボット機械は、労働力商品の価格低下もあって、その開発が進まない。それは機械であり、固定資本であって、労働力のような、可変資本ではないからである。つまり利益を直接的には生まないからである。この固定資本と可変資本の違いを資本家は少しも理解することができない。固定資本が労働者の生活を助けていると見る限り、可変資本という概念が理解不能だからである。労働者はそれを知っている。

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2021-12-11 16:33

 mizz


Comments (1)

Hadir Al-Sabbat 2021-12-19 17:54

The industrial revolution and it's consequences have been a disaster for the human race. -Uncle Ted

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