ミリアム・レダ 提督

カダニア宇宙連邦国の筆頭提督。
カダニア宇宙連邦国は、宇宙のはて、外輪深宇宙域のアビス宙域に存在する宇宙国家。
元々は１０万年前に、カタリナ社宇宙勢力の熾烈な宇宙戦争によって住む星や国家を失ってしまった宇宙難民が移民用に巨大な宇宙船を作り、同じ志を持つ宇宙難民同士が難民船団を組み、強大な軍事力と経済力、文化力を有するカタリナ社宇宙勢力の手の及ばない外輪深宇宙宙域、
アビス宙域へと出航、五千年という長い年月をかけて宇宙のはて、深宇宙外輪部と呼ばれる人類が到達したことのない宇宙の極宙域へと到達し、繁栄した宇宙難民がアビス宙域で最初に建国した深宇宙国家。

アビス宙域には拡大膨張を続ける宇宙の手付かずの希少物質や資源が豊富に眠っており、また当時カタリナ社宇宙勢力が到達していなかったので、外敵もなく最初の五千年間は当初の目的通り、平和な安定した新天地で、宇宙難民の子孫たちはカダニア宇宙連邦国を建国、深宇宙を開拓、繁栄していった。
政治体制は共産主義であり、主要な生産手段を社会化することによって、人間による人間の搾取を廃止し、社会から貧困をなくすとともに、経済の推進力を、利潤追求からカダニア人民の自由で全面的な成長・発達を目的としていた。
カダニアは元々、宇宙難民や貧困移民が中心となった宇宙国家であり、元々が等しく貧しく、特権階級が最初から存在せず、開拓初期は厳しい宇宙環境から自然と共産主義による社会体制がしかれていた。

カダニアの主な主産業は宇宙農業と鉱物輸出であり、アビス宙域でもっとも人口が多いカダニアの生産力は高く、他のアビス宙域の主要大国に輸出し、莫大な利益を得ている。
国有宙域を無料で使用して宇宙耕作、採掘を行っており、主な農場衛星やプラント、採掘船や輸送船等は共有財産であり、労働者は組合員としてコスモコルホーズで作業を行い賃金を得る。生産物は政府に売却する。組合組織による経営であった。

ミリアム・レダは、建国当時の宇宙難民をまとめた難民船団の司令官の遺伝子情報を持つクローン人間で、13代目になり、過去の様々な記憶を受け継いでいるが、レダ本人はあまりにも膨大で古すぎる記憶はたいして役に立たないので、ほとんど封印して忘れてしまっている。
性格は冷静沈着で的確な判断力を備え、カダニアの国益を常に最優先とし、必要時には躊躇せずに冷徹な処置をとる。しかし、戦略や戦術は古臭い古典的なものが多く、また冷静で的確な判断を逆手に取られて、敵に先手や対抗策を取られてしまうこともしばしばあり、有能な将校であったが、超絶的な軍才を持った将軍ではなく、あくまで長年つきかってきた経験や判断力が優れているといった将軍だった。
配下の将兵は、常に冷静沈着で的確な判断力を持つレダ提督を頼りにしていたが逆に、頼りすぎて自分で判断したりするのが苦手な指示待ちの将兵ばかりでカダニア軍全体の練度は低い。