宇宙が裂ける

 逆シャア34周年おめでとう!一番好きなガンダム。今見ても作画と動きが凄い。やはり天才か。
盾は作画の手助けになるって言うけど盾も十分に作画コストが高い。

 ここでガンダムの盾について語りたいと思う。現実の盾は今ほとんど廃れている。これは歩兵が通常装備する小銃弾の貫通力を防ぎきる厚さの盾を人間が保持し、機動運用するのがほぼ不可能であるからだ。矛と盾は、矛の進化の方が早いのである。勿論盾は有効な防具であり武器でもある為、一部の軍隊や治安維持部隊が装備しているが、そのほとんどは投石対策や制圧、それか拳銃弾を防ぐ、または盾持ち専用の人員を配置する等に留まっている。実際歴史の流れを鑑みても、弓矢の登場から手持ちの盾は廃れつつあったと言える。高い貫通力を持つ武器に対し、殆どが重たく厚く設置するものになっている。しかし、近接戦闘および白兵戦では強く、ファランクス戦術は猛威を振るった。盾を無効化する為の投槍まで開発されたレベルである。
 ここでガンダムワールド、特に宇宙世紀の盾に話を戻そう。初のMS、ザクIからザクIIになるにあたり、右肩に盾が装備されている。これは機動時におけるデブリ対策もあるだろが、対艦兵器として、勿論艦の主砲は耐えられないが、艦に接近するにあたり対空砲火やミサイル等の破片から自機及び装備兵装を守る為に装備されたと考えられる。左手に装備せず右肩に備え付けているのは、「盾を指向し守る」と言うより自機に当たる可能性を減らす、当たってもそう大きな損害にならない箇所を増やす、所謂ラッキーヒット対策に重点を置いた設計であると言える。実際問題撃たれてから反応して防ぐ、なんて事はまず不可能であり、ザクの盾は装備による心理的、物理的効果を求められている設計と言えるだろう。
しかし、対MS戦闘を主眼に置かれ、白兵戦MSとして完成したガンダム及びジムは左手に自由度の高い盾を装備した。新装甲材ルナチタニウムにより仮想敵であるザクの120mmザクマシンガンに耐え得る強度と軽さを併せ持つ盾は、まさに革新と呼べるだろう。大きく、機体の大半を覆える盾はラッキーヒット以上に、「敵に対して指向する機動防御兵装」として進化したのである。これは特に地上戦において顕著であり、グリップを廃し、マウントラッチによる接続とした小型のマルチプルシールドを始めとし取り回しの自由度を求められ小型化、更に格闘兵装としての側面も持つ様になる。MSの白兵戦は、盾を用いた格闘、投擲、目眩し、ヘヴィアタックは最新兵器であるMSの格闘が過去の剣闘士の様な格闘になる事を示唆している。これは人型であり有視界戦闘を主眼に置かれたMSにとり、他の兵器とは一線を画す取れる戦術の多さを示している。戦車が摺り足を出来ない様に、作業やAMBAC以外の強みと柔軟さの結果である。
 しかし、ガンダムとジムは全領域におけるMSによる高出力携行メガ粒子砲と言うもう一つの確信をも引っ提げて登場した。ルナチタニウムすら軽く貫通するビームは、盾の有効性をまた著しく落としたのである。しかし、これはジオン側が高出力の携行メガ粒子砲を殆ど実用化出来ていなかった為そう問題にはなっていない。更に言えば盾は白兵戦では有効であり、メガ粒子砲を装備してない機体に対しても有効である。MS戦術の黎明期であり、FCSのミノフスキー粒子対策もそう進んでいない状態では、戦術の未熟さ、戦力規模、メガ粒子砲以外の兵装ではどうしても決定打になりづらい機関砲及び弾速の落ちる大型擲弾による射撃戦では決着し切れず、白兵戦にも連れ込む事は日常茶飯事であった。ここで、射撃戦における盾は大きければ大きいほどいいが、その分閉所や白兵戦では取り回しの問題が度々指摘されていた。市街地戦や要塞攻略戦と言う得意な環境が多発した事もある。また、装甲そのものを重装甲化したドムの様な重MSは、射撃戦においてはその防御力に不安を残したが、白兵戦では盾を持たない自由度の高さからジムを撃破するケースもあった。これはパイロットの練度もあるが、盾を相手の攻撃や動きを誘導する攻撃兵装として使いこなし切れず、デッドウェイトと化していた為と思われる。実際、盾を使った戦術を取れるパイロットは少なく、白兵戦になった途端盾を投げ捨てるパイロットも散見されている。結果、戦術もその様な方向へと向かい、射撃戦では大きく、白兵戦では小さな盾が求められたのだ。
 一年戦争終結後もこの問題は解決せず、パイロットは「大きいが取り回しの良い盾」と言う一見矛盾する物を求めた。そこで登場したのが伸縮盾である。通常時はフルサイズシールドの防御範囲を持ち、必要に応じて小型化出来る伸縮式シールドは、消耗品でありがなら大きく嵩張りがちな盾を多く運べると言う点において兵站面でも大きな効果を発揮した。しかし、その反面消耗品である盾の高性能化、高コスト化を招いていく。そしてさらにここで、どんどん機能的かつ高性能化が進んでいく盾は、またここで大きな環境の変化に晒されることになる。
 第一は携行メガ粒子砲、ビーム兵器の一般化である。一年戦争時代は高級装備であり、ジェネレーター出力の関係上装備出来るMSが大きく限定されていたビームライフルは、UC0087頃には既にMSの一般的な装備になっていた。勿論実態弾も信頼性の高さとユニットコストから多く利用されていたが、既に主兵装からは外れつつあった。高初速かつ高い貫通量を持つビームは、多くの盾をほぼ一瞬で貫通する。またしても矛が勝る時代が到来したのである。第二は戦術の洗練と技術の向上である。戦略的なMSの運用から、MSのフォーメーション戦術まで、効率的な運用が模索され洗練されたのである。これらの要素により、MS同士の白兵戦の機会は一年戦争のそれに比べれば大きく減じた。加えて伸縮式ならではの欠点も露呈することになる。主に守備力の低下、コストの増加、重量の増加、それらに伴うサイズの増減である。第一に、ビーム実態弾を問わず、避弾や格闘による破損変形により、伸縮機構が機能しなくなる場合が多く見られたのである。盾の有効性も下がってきた。耐ビームコーティングも進歩したものの、ビームを完全に防ぎ切る事は不可能であり、盾で一瞬止めたビームが盾を貫通仕切る前に盾を投棄し機体を横滑りさせる事が出来るパイロットは少なかった。盾も稼働部位が増えた結果、守備力に寄与しない分厚さと重量はMSのフレームに負担を増やし、その負担を減らす為に盾の幅は従来の3割以上カットされた。しかしながら、その分厚さは消耗品である盾の保管スペースを増大させた。また単純に、伸縮機構を搭載する製造上、整備上のコストも無駄と判断され、現場での評判にも関わらず、伸縮式は比較的短期間で姿を消す事になり、その後盾に種々の射撃兵装を内蔵することによって、限定的な射撃戦における追加兵装、予備弾携行スペースと申し訳程度の防御兵装となる。これらの機能でも、最低限射撃戦及び白兵戦に十分に対応できるというのも結局の所伸縮式が省みられなかった理由の一つだと思われる。そして、盾は形はそのまま形骸化、純粋なウェポンラックやサブスラスターコンポジットユニットとして進化、以後ビームシールドの実用化までMSの盾は武器と防御兵装の中間の

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2009
2022-03-12 20:26

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Comments (2)

志磨根こタ丸 2023-08-10 05:31

これはさすがに視聴者誤魔化せれてないな

なげぇぇぇぇぇぇ!!!!

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