廃村の桜とぴりか

広島・島根の県境近くに、三八豪雪(昭和38年1月豪雪)を契機に住民がいなくなった某廃村があります。
そこに「やる鹿団」が悪の工場を建設中と知った我らがぴりかちゃん。魔法天女の能力で現地に瞬間移動して、「また鹿」たちや工場計画の中核になっていた合成怪人と戦い、これを撃破しました。

魔法天女は悪あるところに即現れることができる不思議な能力を持っていますが、これまた不思議なことに戦闘終了後にお家に戻る能力はありません。お父さんが車で迎えに来てくれるまで、たっぷり二時間はかかりそう。

集落の外れには数本の桜がまさに満開。
その一本にもたれて、ぴりかは集落を眺めます。
わずかに風が吹きますと、はらりはらりと花びらが舞い落ちてきます。

家や道はここにあるのに、誰も居ない空間。
桜だって、きっと村の人々が暮らしの中に彩りと喜びを添えるために植えたもの。
なのに、桜がせっかく咲いても、もうこれを愛でる人は誰も居ない・・・
形あるものは全てうつろい、諸行は無常であると分かっていても、寂しさといくらかの恐ろしさが
ぴりかの胸を締め付けるのです。

胸の前で、小さな手のひらがきゅっと握られます。
「お父さん、早く来て・・・」

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2022年4月の月々イラストは、とてもかわいい絵柄で、実にえっちなアニメ・ゲーム・音声作品を送り出している人気同人サークル「なにかもどき」のえこるさん user/569662 にご担当いただきました!

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2022-04-01 23:05

 にゅるりら@魔法少女好き


Comments (4)

小原臥雲 2022-04-02 12:39

キャプションもあわせて映画のワンシーンみたい……。

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