赤いぬっぺっぽう型
定期ロボ分補給五体目。量産機型デザ。【国軍正式採用機。その字面は、この時代において、誰の目にも奇異なものとして映るものだった。国家というものが概念的に希有な存在となった22世紀後半。マージナルセブン、エリア・エジテアにおいて突如ひとつの軍事政権が歴史の表舞台にあらわれた。当機ゼレックス・マーガリーダはその際、この地域の中心的巨大コングロマリットの商品のひとつが、国営化により、軍に接収された機体である。もともと当機の旧型機であるゼレックス自体が、企業等のセキュリティーサービス(ようは私兵)用に設計された攻撃機であったことが、接収の一番大きな要因だった。物流、法律、経済、文化における地域間落差(あくまでユニバーサルレイヤーにおける)が無くなり、事実上国境が無意味化したこの時代において、ひとつの政府がひとつの土地を統括するという行為はあまり意味を持たない。いうなれば「国家」という枠組みそのものが、教科書の中で過去の事物としてのみ語られる存在であった。よって、大方の予想通り、この軍事政権が解体されるまでに費やされた時間は、およそ3年間という短期間である。しかしその短期間内とは言え、当機の銃口が、国の内外に向けられ続けた結果、エジテアの人々は、かつての人類にとって日常的経験だった『支配』の、冷たい檻の感触を味わうこととなった。必然的に、当機は、恐怖と畏怖との入り交じった眼差しで見られ、その支配の象徴として、人々に記憶されることになったのである。】[六体目:illust/1030339/四体目:illust/911552]
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2008-06-15 00:44
Comments (2)
Always thank you. :D
very good