【Pグレ】子供には戦ってほしくない【蒼髭卿】

★キャプからの先にお読みくださいませ★こちら【illust/17112997】と【illust/17236496】の続きです◆◆城の中は危ない──そう判断したライアン(カエデ)は、クレアを連れて庭に出た。「クレアはどうしてここに･･･」「蒼髭卿の招待を受けたの。でも、嵌められたわ」「じゃあ、この爆発はノアの仕業じゃないのか」「私たち、こんなくだらない事はしない」少し威圧を乗せたクレアの瞳は、まっすぐにカエデをとらえた。申し訳なさそうに頭をかいた瞬間、右手から身に覚えのない激痛が走る。見ると、何故か右手が焼けたような傷を負っていた。「なんだコレ･･･」「カエデ、もしかして黒髪の女の子に触らなかった？」「･･･黒髪、･･･ああ傷の手当をしてあげた子なら」「その子、きっとナタリーだわ」「ナタリー？」「19番目の子。「腐」のメモリーだから、触ると何でも腐って溶けちゃうのよ」「･･･あんな小さい子供がまたノアになっていたのか」それは、強制的に戦争への参加を意味している。まだ、世界はこんなにも酷いのか。現実を理解しているからこそ、俺には両の目で見る世界があまりにも広すぎる。カエデは、おもむろに束ねた髪を解いた。「私と初めて会った時にも、そんな顔をしたわね。ノアには、まだ子供がいるわ」「あじさいとキオルには会ったことがあるよ。･･･なあ、どうしてこんな戦いに子供が参加しなくちゃいけないんだ？」言いながらクレアを強く抱き寄せた。「･･･カエデは優しいのね。「自由」が入ってるなんて嘘みたい」「あいつは･･･、いつも俺をあざ笑っているよ」「カエデ、もう逃げるのは辛いでしょ？一緒にお家に帰りましょ。私が守ってあげる」「･･･──無理だよ、『クレア姉さん』。俺には、あんた達のことが理解･･･──「出来ない」そう続けようとした刹那、カエデ達の元に見知らぬ叫び声が届いた。反射的に顔を向けると、傷だらけの子供が険しい顔つきで茨に絡め取られていた。「･･･なんだ、あれ」「･･･メリクお兄ちゃん？」クレアの言葉に、カエデは少女の元へ駆け出した。男がノアであると知りながら･･･