【PFLS】神呪う泥濘の名【王無き国の戦い】

少女は故郷を失った。
星の泥濘と呼ばれた泥の魔物たちの村は、神の名のもと、とっくの昔に滅ぼされた。
だから、いまさらおうちに帰れなくったってどうでもよかったのだ。
元々あてもなく旅をするだけだった少女にとって、「おうちの場所」なんて
失っても痛くも痒くもない対価だったのだ。

だからそんなもので、あの愛しき私達の悪魔が、願いを叶えるわけがなかったのに。

「いや、いやよ、ディーヴァさま」
あの歌が聞こえる。愛しい悪魔の歌姫の、あの歌声が、頭の中を塗りつぶしていく。
みんなの名前が思い出せない。お城の場所が思い出せない。
「おねがい！許して、ディーヴァ様！いやなの！おねがいよ、それだけは許して……！」
故郷を失った魔物が、助けてほしいと縋った場所が。
彼女が"新たな家と認めた場所"が、帰り方が、思い出せない。

ゆるしてディーヴァさま、なんでもします。
生贄だって持って帰ります。もっともっとたくさんたべて、ころして、ちゃんとお捧げしますから、
「いやよ、だってわたし、みんなにおみやげもってかえるんだから。
もう取り上げられるのはいや！わすれるもんか！わすれるもんか……！」

ぼろぼろとこぼれ落ちていく記憶を拾い集めて手放さないように、叫ぶ。


「私は――私の名前は、星の泥濘！アレッサンドロ！
神に滅ぼされたもの、神を怨むもの、神の使徒を根絶やすもの！
わたしたちの名前はディーヴァ……！」

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アレッサンドロの本当の願いは「おうちもなくてひとりぼっちで寂しいから助けてほしい」
ディーヴァの真の対価は「真に故郷と認めた場所が思い出せなくなる」
現在のディーヴァの城を家と思うようになった為、城の場所や他の信徒さんの記憶を奪われつつあります。
ペンデュラムはおうちにわすれてきたし使い方も忘れました。遠出しすぎたのでもう手遅れです。

おうちの記憶をとられるのはどうしても嫌なので、他の対価を捧げれば許してくれませんかディーヴァ様！！
という気持ちで、擬態を解いて戦場の敵味方問わず襲い始めます。

最終章終了後、アレッサンドロは悪魔宗教教団ディーヴァに関する記憶を一部、あるいは全て失います。

対価に抵抗するのって教義的にアウトな気もしますがどうなんでしょうね。

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どうしても参加したかったので飛び込ませていただきました！
口上大呼【illust/73758060】

悪魔宗教教団ディーヴァ【illust/72977676】
いっぱい食べて大きくなった【illust/73146380】