チヌ

「ニック、ジョージはどこだ」
「あいつは今頃海の底でイルカとおねんねしてるよ」
そういうと奴はバーボンをあおって、
それから一息ついて
俺をカモノハシのような目つきで睨んだ。
「ところで、お前は誰だ?」
「俺か、俺の名は・・・」

ここで話は10年前にさかのぼる
俺がジョージアの街でさえない炭鉱夫をしていたころの話だ。
その時の俺はポーカーと酒とフラダンスにしか
人生に意味を見出せない負け犬だった
俺がジョージと出会ったのは偶然だったのか、
はたまた必然だったのか、
必然に見せかけた偶然だったのか、
そんなことはどうでもいい。

作業場へ向かうバスを待つ列に割り込んだ奴と、
俺は軽い口論になった
それからはパラダイスさ
人生には意味がある
しかし俺にはない
ってんで
殺しにこいよ
カモン
サノバビッチ

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