黎明
『バジリスク』ではなく『甲賀忍法帖』の朧姫。あくまで原作イメージです。弦之介さまが被衣に白椿を挿してくれたあの場面。――漫画・アニメ版のどんくさい朧ちゃんもかわいいけれども、原作の彼女は「破幻の瞳」といい、闇の存在である忍者集団の中でひたすら「太陽」にたとえられていることといい、ある意味「破壊者」の宿命を負っているところがあるような気もします。そのせいか、性格も実はキツイ。左金太を木から落っことすし、陣五郎を蹴飛ばすし。もっとも、きっと弦之介さまと出会う前は、鍔隠れを滅ぼしかねない自分の瞳にも存在にも、とても悩んで傷ついていたのだとも思います。だからこそ、弦之介さまが示してくれた「和睦」というのは彼女にとって救いで、そういうところで二人は惹かれあったのだろうと。そしてまた、それゆえに「和睦(ほぼ弦之介さまとイコール)」をぶち壊しにする存在は、たとえ味方であっても許せないのだろうと。……「七夜盲の秘薬」で目をふさぎ、争いを見たくはなかったといったのも、味方を殺しかねない自分が怖かったっていう解釈がありうるような気がします。
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2010-05-14 02:10
Comments (2)
なるほど、その対比もおもしろいですね。たしかに、いわゆる「争忍」の旅にはいるとそんな雰囲気も(笑)。陽炎も、男限定とはいえ、身内から非常に恐れられていますもんね……(笑)。でも陽炎のはあくまでも「忍法」で、忍者の社会の中で「アンチ忍法」な朧は、やっぱり特殊だなあと思います。
朧姫が「伊賀を内から滅ぼす存在」ならば、陽炎は「甲賀を内から滅ぼす存在」ですね。この二人まさに陽と陰の対極ですね。どちらも弦之介が好きですし・・・そんなことをこの作品とコメントを拝見いたし、感じました。