【C:B:A】夏の破壊者

「ゴクラク。アユタに行ける？」
「は？」
突然の問いに面食らう。目の前のやたら整った人造天使擬きは説明が必要と判断したのか、続けて言葉を紡いだ。
「リインさん、実験に協力するためにグリンダーズへ行ったでしょう」
リイン。この教会の主の名。
「アユタとあいつに何の関係がある」
二つの事柄の関連性が掴みきれず問い返せば、既視感のある微笑みと言葉が返ってきた。
「神託が降りたんだ」
「…またか」
俺たちは天使を模した形をしている。それは人間がそう造ったからに過ぎず、本当に神に通じているわけではない。かつての俺の知識が間違っていないならば、天使とは神が生者の首を刈り生まれるものだ。高度な人工知能を搭載していようが「天赦」はモノ。首を刈られればただ破壊されるのみだろう。
だから、こいつの神託とやらはネットワークに接続して得た情報やそれらを元にした予測だと思うようにしている。セクサロイドにそんな機能が必要かは知らないし、少なくとも俺にそんな便利な検索機能はついていない。あったとしても最初の起動前に引っこ抜かれていそうだが。
「アユタ付近を通過しようとしたデコトラが、空間異常に巻き込まれてしまう。そう、私には伝わってる」
「あの辺りを通るとは限らないだろう」
「通るよ。間違いなく」
普段は素直なテンだが、こういう時は強情だ。ともすれば恩人の命に関わる物事であるせいか。

押し付けられた衣装で、不気味な参道を行く。歩く間に数体の化け物を潰した。
本当に家主がここにいるのかは別として、この厄介な空間を放っておくのはまずい。
(壊すには…中心になってる奴がいるな。そいつを見つければ)

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下の目標目指して空間内を歩き回り、外法獣を見つけたら叩きます。
・家主探し
・元凶を見つけて叩く

終わらない夏【illust/111037959】
獄落【illust/108738630】