クラウチングタイガー＆ヒドゥンドラゴン

（　2023年10月某日　夕刻　）

R「・・・しっかしようやく涼しくなったな！
　暑い間は何やってもグダグダやったけど、これであらゆることへの
　モチベーションが蘇る！　涼しいって素晴らしい！
　・・・まあ仕事はやる気にならんけどな！　ハハハ！」

・

（家の周りに漂う香ばしい香り）

R「くんくん・・・お・・コレは・・・餃子の匂いかな？
　いつも美味しい食事を作ってくれて、ソニアには感謝やな・・・」

（ガチャ）

R「ただいまー」

ポ「にゃー（手を振る）」

R「お、ポンスケ！　よーしよしよし！（抱き抱えて頭を撫でる）
　・・・あれ？　エステルとソニアは？　晩御飯の準備か？」

（テクテク・・・ガチャ　リビングのドア開ける）

R「おーい　ただい・・・」

エ・ソ「ニーフイライラー！（おかえり）」

R「・・・ほぉ！？」

エ「おかえり～！　さ、うがい手洗いして、テーブルへどうぞ！」

ソ「今夜は手作り中華ですよ！　特に餃子、今日は一段と上手にできたんです！」

R「（ジャー　手洗い）お・・・おう・・外もエエ匂いしとったわ・・・
　ところで・・・そのチャイナドレスはどうした・・・？」

エ「ユウちゃんのは前から持ってるやつだけど、イイな～と思って、
　わたしも自分で作ってみたの！　どうかしら？」

ソ「でもって、せっかくだから晩御飯も中華にしようかって
　話になったんです。　今日は中華三昧ですよ♪」

R「（ゴロゴロ・・・ペッ）おぉ！なるほど！
　エエね！　実にエエ！　二人ともよく似合ってるわ！
　エステルのツインテスタイルもなかなか斬新！」

エ「ありがと♪　さ、あったかいうちにいただきましょ！」

ポ「にゃー（手を合わせる）」

・

ウンザリするような連日の酷暑が去り、ようやく涼しい風が吹き始めた今日この頃。

今日、私が会社から帰ると、なんと娘たちがチャイナドレス姿でにこやかに出迎えてくれました。

なんでも、先日から立て続けに「癒し中華」が炸裂している中で、ソニアが持っていたドレスを見てエステルも欲しくなったらしく、あり合わせの材料で自作したとのこと。　相変わらず器用な子です。

そんなチャイニーズな雰囲気の中、夕食として用意されていたのは、ソニア特製ボリュームたっぷりの中華料理。　どれも丁寧に作られており、もちろん味も絶品。　流石はお料理上手と感心させられます。

伏したる虎と隠れたる龍「臥虎蔵龍」とは、中国の諺で「世に出ていない隠れた力」という意味だそう。

決して、著名な大人物になんて、なってくれなくて構いません。
娘たちには、身近な家族や友に、その持てる力で小さな幸せを与えられる存在であり続けてほしい。　

私は「ごちそうさま」の言葉と共に、「我が家の竜虎」への感謝と願いを、新たにするのでした。

・

R「あかん・・・揉まれてるのかどうかもわからん・・・（肩もみ）」

エ「相変わらずガッチガチじゃないの！　かなり力入れてるわよ？
　生活習慣を改めないと、根治は夢のまた夢よ！」

ソ「いきますよ～・・・ハッ！」

（バイーン！　弾かれるハンマー）

ソ「わわわっ！？（よろける）」

R「ぐおぉ・・・！　効くけど・・・芯には届いてない・・・！」

ソ「ふぅ～・・・あたしのハンマーでも手に負えないとなると・・・
　どうしようもありませんね！」

エ「なんかもう、ROCKの肩って新種の超強度素材として売りに
　出せるんじゃないかって考えちゃうわね！」

R「こんなゾンビの凝った僧帽筋なんて誰もいらんやろ！」

ポ「にゃー（頭抱える）」

エ「仕方ないわね・・・ユウちゃん。」

ソ「岡田さんに鍛えてもらった、
　あたしたちの連携奥義を使うしかありませんね。」

R「・・・お？　竜虎の力で肩こり解消？
　どんな技をみせてくれるんや？　エエぞ！思いっきり来い！
　・・・あ、首はカンベンやぞ！？　前回の花っちでエライ目に遭うたからな！」

エ「家の中で出すと危ないから、庭でやりましょ！」

R「・・・え？　そんなド大層な技なん？」

・

（庭）

R「は～・・涼して気持ちエエなぁ～（ボケボケ）」

エ「すぅ～・・・はぁ～・・・奥義・・・！」

ソ「・・・・・・『竜虎破砕掌』！！」

（チュドーーーン！）

（ドガラガッシャーン！！）

岡「ぬわあああぁぁぁぁ！！？　ROCKはん！！？」

エ「わわっ・・・ROCKが・・・！」

ソ「壁を突き抜けて岡田さん家に！？」

エ「岡田さーん！　ごめーん！」

ソ「岡田さーん！　ケガはありませんか～！？」

（バリバリ・・・ズボッ　めり込みから抜け出すROCK）

R「・・・ワイの心配は無しかー！？　しかも解れませんけどー！！？」

ポ「にゃー（やれやれ）」