ORION HUNTER KILLER GUNSHIP

オリオン ハンターキラーガンシップ

全長約30m

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「遮蔽構造物の下に隠れている奴らを炙り出せ」
「発見次第即射殺」

「了解」

ハンターキラーガンシップがサーチライトで瓦礫の山を照らしながら、夜の戦場を進んでいく

不気味なほど静かである

かつて都市があった場所は、瓦礫の山となり、大量の死体があちこちに散らばる地獄絵図が広がっている

「生命反応なし」
「脅威は確認されません」

「引き続き継続」

オリオンが、惑星カランの戦争に勝利するのは、もうすぐ眼前だろう。

「生命反応確認」
「射殺します」

「射殺しろ」
「......この場合は、あれが一番有効だ」

「了解しました」

廃墟となった建物の裏に隠れていたのは...... 大勢の民間人だった。
彼らは、恐怖に叫びながらその場から逃げるが、ハンターキラーガンシップの生物兵器(ウイルス)爆弾により、次々と倒れていく。

射出された生物兵器(ウイルス)爆弾が爆発すると、緑色に着色された気体が拡散された。

彼らは、全身と呼吸器系の凄まじい激痛によりその場に倒れると、もがき苦しみ、たちまち全身の皮膚がブクブクと膨れ上がると、眼球が破裂し、次いで身体の至る所が破裂し死亡した。

この攻撃で、約60名が虐殺された。

「うむ、素晴らしい仕事だ」
「この調子で続けろ」

「了解」

......

一方、ここから少し離れた場所では、生き残った敵の兵士が会話していた。

「くそ、あれはオリオンのハンターキラーガンシップだ」

「もう終わりじゃないのか？」

「活動放射(生命反応)を隠す機械装置がある」
「これでひとまずは大丈夫だろう」

「だが、時間の問題だ」
「ここにいても、奴ら(オリオン)の本隊が来る」
「早く逃げないと」

「そうはいってもだ、ひとまずここから動かないのが懸命だ」

彼ら二人は、2時間かけて区画7872から脱出したことが確認されている。(惑星カランは、36時間サイクル)

しかし、彼らが仲間の前哨基地に向かっている道中で、絶望的な知らせが入った。

「俺たちの基地が、オリオンの爆撃機部隊の急襲で破壊されたそうだ」

「じゃあ次は何処に向かえばいい」

「指揮系統が混乱している」
「恐らく、829の基地でいいだろう、一番近い」

「本当に大丈夫なのか？」

「......確証はできない」
「だが、この戦線の近くで一番大きなところだ」
「そうすぐには陥落しないと思うが......」

だが、彼らの憶測は、やはり通用しなかった。

基地829は、オリオンのタイタンの攻撃により破壊された。
我々オリオンは、圧倒的な軍事的優位性を誇っていた。

「......829もだめだ」

「......そうか」
「未だ仲間と合流できていない」
「このまま逃げるしかない」

「......なあ、この気配は......」

その時、オリオンの歩兵部隊(正確には、オリオンの機械化歩兵部隊の分隊)が、彼ら二人を発見した。

「おい、嘘だろ」
「もうここまで来ていたのか！」

二人は咄嗟に走ったが、オリオンの歩兵部隊が二人を射撃し、彼らのうちの一人が右足を負傷した。

「おい、あんた、足が！」

「俺はもうだめだ......」
「......すまんな」

「置いていけない」

「早く行け」

アサルトライフル(レーザー銃)により応戦するが、オリオンの歩兵部隊により二人は射殺された。

情報を調べるために、彼らの身体の中に内蔵された記録装置(移動、会話、思考などが記録されている)を回収し、分析した。

青い髪をした男は、恐らくアウラ人で、金髪の男は、ケルシア人である。

......

オリオンは戦争犯罪にはならない。
何故ならば、勝者こそが、この宇宙の法だからである。

宇宙戦争に勝利したオリオンの絶対的な支配力を前に、彼らは絶対的な服従を強いられる。

植民地支配は、彼ら自身にとって最善の選択である。
彼らのアイデンティティやイデオロギーが殲滅されることはなく、あくまでオリオンイデオロギーを元に生かされるからだ。
彼ら自身の利益でさえ彼ら自身に還元される。
それこそが安定した支配だからである。
そして知らず知らずのうちに、暗黒世界を受け入れていく......

だが、オリオンは刃向かうものには容赦しない。
徹底殲滅あるのみである。

宇宙戦艦で惑星を爆破され、何もかも全てを奪われた者たちの恨みは大きい。
彼らは死んでもなお懸命に立ち向かってくるが、我々の圧倒的な支配力を前に、彼らには暗黒の未来しかない。愚かな彼らは、死後も永遠に苦しみ続ける。

我々は信念を持って、今日も生きていく。
我々がこの銀河系、宇宙を支配し、偉大なる秩序をもたらすのだ。