【ポケサガ】きっと素敵にしたてて差し上げますから♡【濃霧の戦線】

「わたくしの組織？村の片隅にある、ちいさな"したてやさん"ですわ」
「仕立て屋？」
トモリが答えると、メメントは怪訝そうに眉を寄せました。

「ええ、お洋服を作っておりますのよ。わたくしまだ勤めて長くはないのですけれど……これがなかなか楽しくって！わたくし、センスがあるのかもしれませんわ〜♡」
傘に腰掛けたまま、半ばほどしかない脚を楽しげに揺らしています。
そんなトモリを見て「随分お気楽な同業者サマだ」とメメントが呟くのは当然の事でした。
メメントは問います。
「君は人を殺す組織に所属していると言った。嘘じゃないんだろう。本当はどこの人間だ？」
眼鏡の奥から薄暗い瞳がこちらを見据えているのが分かります。
「正直に話した方が君のためだ」

はたしてトモリは嘘は吐いておりませんから、再度正直に答えるのみです。
「あら、わたくしはずっと本当の事を話しておりましてよ」

「殺しも行う"したてや"さん。それがわたくしの居るお店ですわ♡」

そう言うとトモリは鞄からナイフを取り出して、切先を真っ直ぐにメメントへと向けました。
「貴方、あまりひとのことを探ったり試すような言動が多いのは少し品性に欠けるのではないかしら？そんなことでは折角の獲物にも、レディにも……逃げられてしまいそうですわ♡」
しかしその切先に殺意は感じられません。
その事はメメントにも分かるのでしょう。鈍く輝くナイフを挟んで、お互いに顔色ひとつ変わりませんでした。

トモリはナイフをくるりと回して鞄に納めると、ぱっと微笑んで言いました。
「わたくし達がやる事は変わりたいひとや遠くへ行きたいひとのお手伝い。そこに国の違いも、種族の違いもございませんわ」

「もちろんメメント様、貴方にだってそうですわ。もし貴方や──貴方のご友人がひどく何かに疲れてしまって、変わりたいと願ったり、遠くに行きたくなるような日が来たら……その時はわたくしの事をお探しになって？　きっと素敵に"死立てて"さしあげますから♡」

◇お借りした展開
パペッティア【illust/116809181】

メメントさんとお喋り〜！
特段秘密にするような事もないので楽しく(?)お喋りしていますが、メメントさんの事を信用しているわけではない様子…それはそれこれはこれ…！
メメントさんに隣に座るよう促されていましたが、鉄輝夜の上には座らず自分の傘に座っています。

イベント関連でのトモリの投稿はこれで最後になるかもしれないので、お返しをいただける場合は離脱や解散等ご自由にしていただいて大丈夫です…！
放っておいても何事もなければ適当なタイミングでギルドに帰ると思います。
一章ありがとうございました！

◇お借りしました
メメントさん【illust/116337550】　

◇
トモリ【illust/115732899】