NEXT ミゥの過去２

【概要】
　夢や希望を抱けるのは、子どもの時だけ。いざ、社会に出てしまえば、つらい現実を知って、一気に夢なんて醒めてしまう。私は、憧れた人と同じように輝きたいと、舞台に立ちたいと一生懸命に努力した。そして、その努力が実ったのか、憧れの人と共演することが決まった。私は、うれしいと同時に、足を引っ張らないようにしないという義務を背負った。
　とある日の控室で、私は憧れの人と同室になった。せっかく、同室になったのに緊張して上手く話せなかった。そう思っていると、彼女はお手洗いで席を外した。私は、好奇心で彼女の台本を覗こうとした。盗み見だけど、あの人に近づきたい・・・そう思い、彼女の台本に触れた瞬間、能力が発現した。能力により、台本から感じ取れるあの人の過去が頭の中に流れ込んでくる。

「ああ、うざい！」「なんで私があんなガキと共演しないといけないのよ！」「―っていうか、私より人気を取りやがって、ふざけんな！」「この私が現実と言うものを教えてやろうかしら」「マジで、死ね！」

　表舞台で見ている彼女とは違い、舞台裏では嫉妬深く、欲深く、傲慢な彼女の本性が明らかになる。さらに、スタッフやマネージャーなどを奴隷のように扱き使っていることや、同期の女優を姑息な手で転落させたことも。今見たビジョンが本当かどうかは分からない。かと言って、直接確かめるのも怖い。しかし、数日後のスタッフ同士の会話を偶然聞いて、真実だと明らかになる。それからは、私にとって『ソネコさん』は憧れから恐怖へ、恐怖から憎悪へと変わった。

ミゥ：「もう、・・・・・あんたなんかに憧れたりなんてしない。私は、あなたにやられない。」
　
　あのクズビッチに負けないように、姑息な手に引っかからないように、自分の能力をうまく活用して難を逃れた。同時に、私はより一層、人気者としての株を上げた。その代わりに、私自身、何かが壊れた。