弘前のユキオンナ

◆身之丈:9尺1寸(約3m)
◆目方:45貫(約169kg)
◆生育環境:零下6度前後・湿度78％の環境にて成長｡冬の豪雪地帯に発生する魔化魍で、青森県弘前から白神山地方面に現れた
◆餌:人間の男性や童(子供)
◆能力・特徴:雪深い冬場の高山地域、または豪雪地帯に限定して現れる魔化魍で、主に東北・北陸地方で確認され、関東には滅多に発生しないとされる。また、他の種の魔化魍は性別・年齢問わず無差別に人間を襲う者が多いが、ユキオンナは子供や青年しか襲わない習性がある為、正確な目撃証言や出現データが吉野にも乏しいとされる。
更に、魔化魍は一般的に童子と姫のサポートによって育てられるが、ユキオンナ出現時の場合は何故か童子が存在せず、姫が単独で行動しているのも特徴である。姫は怪人体の妖姫の姿も未確認であり、一説ではユキオンナは姫自身の突然変異体で、ユキオンナ発生の裏にはクグツ(黒・男)の実験が関わっているとも推測される
◆特徴音:「ゴォォォォォ」という吹雪のような音を発する
◆故事:若い女性の姿で伝承される。これは姫の存在と混同されている説や、ユキオンナが人間の女性に擬態する能力がある説があるが真偽は不明

◆特記:ユキオンナは古来より正確な記録が少ない上に、近代では温暖化による環境の変化により発生率は下がっているとされる。これはユキオンナの脅威が少なくなったとも言える訳だが、言い換えればユキオンナとの戦闘経験のある鬼が不足している問題もあり、吉野でも対応に悩まされている。豪雪地帯という厳しい環境下での戦いになることからもユキオンナ対策には手慣れた鬼が必須となる。
そのため、近年では関東十一鬼の一人でありユキオンナ対策のエキスパートでもあるフブキ(仮面ライダー吹雪鬼)が、秋口から冬にかけての時期は関東を離れ、東北支部や北陸支部に長期間の出向をし、ユキオンナが現れる可能性がある場所を巡りながら、各支部の鬼へのユキオンナ対策のレクチャーを行いつつ、ユキオンナ討伐の為に動いている。夏以降に吹雪鬼が関東から姿を消すのはその為である。
弘前に現れた個体は、青森を中心に活動するカチドキ(仮面ライダー凱鬼)と仮面ライダー吹雪鬼のコンビによって討伐された

最近、だんだんと暑くなってきましたので、気持ちだけでも涼しくなるようにユキオンナを描きました。モチーフはプラナリアとイソギンチャク｡プラナリアを、和装の女性が頭に被る被衣(きぬかずき)のシルエットに見えるように配置してみました。
これまで描いてきたオリジナル魔化魍には、全て水棲生物や海洋生物のイメージを取り込んでいます。実は、狙って水棲生物縛りをしてきた訳では全くなく、このユキオンナも最初はマンモスモチーフで考えていたんですが、筆を進める内に、プラナリアとイソギンチャクモチーフになっていきました(何故?)。自分の中で、前期の魔化魍で、最も「魔化魍らしい」と思っているのがヌリカベなんですが、それは貝がモチーフになっています。これは高寺プロデューサーのアイデアらしいのですが、魔化魍デザイナーの青木哲也氏も、ヌリカベを貝モチーフにする斬新な発想に驚かれたそうです。その裏話の印象が強くあったので、自分の中で「魔化魍=(元の妖怪のイメージを問わず)海の生き物モチーフ」という感覚が刷り込まれたのだと思います。実際は海の生き物以外をモチーフにしている魔化魍の方が多いんですが、それだけヌリカベが衝撃的だったんです。

あとは、熱心な響鬼ファンが気になって仕方がない「吹雪鬼さんってどうなったの?」問題に自分なりに独自解釈を考えてみました