【毒ガス弾】 四年式十五糎榴弾砲弾薬 九三式尖鋭あを弾
今月行われる、ちょっとした展示会用に作成した展示パネルです。B2で原寸大になるように作ってあります。夏コミで出した本にはこの図は間に合いませんでした。弾丸の基本スペックは図中に記載した通り。昭和9年11月26日 陸密第700号により、九三式尖鋭きい弾・九三式尖鋭あか弾と共に制定されました。九三式尖鋭あを弾は、同きい弾と同じ構造で、ガスの効力と弾丸の破片による殺傷(破片効果)を同時に狙ったガス榴弾ですが、填実されたあを一号(ホスゲン)は揮発性が高く、炸薬による強力な爆発で大部分が燃焼してしまう可能性が高いようです。弾丸の破片による威力半径も野砲の榴弾と大差ありません。弾薬としては失敗作の範疇に入るものと言えましょう。
46
44
3174
2010-08-07 22:30
Comments (9)
ディエーズさん>見ていただいてありがとうございます!少しでもこの特殊な兵器に興味を持っていただけたら嬉しく思います。なかなかガス弾というのは特殊な構造だけに、開発もかなり試行錯誤だったようです。
一連の作品のおかげで日本における化学兵器の歴史に興味が・・・しかしどっちつかずの兵器
しょうゆ味ベースの嫁とセクロスさん>ガスを散布するためにある程度の炸薬は必要ですが、やはり多すぎてはガスも化学薬品ですから、燃焼してしまうのです。一発に破片効果とガス効力を無理やり持たせようと発想するあたり、弾惜しみの日本軍らしいと思います。「二兎を追う者」の好例でしょう。
下から→ ですが中国兵が使っていたような性能の悪い防毒面なら透過します。なので装面した敵に対しても有効な攻撃ができる場合があります。あかは発煙筒と合わせて一番使用頻度が高いガスでもあります。 ただこれらを対ソ戦でどう使おうとしていたかはよく分かりません。
くらっぷげーむさん>図のあを弾や ちゃ弾(青酸ガス)は揮発性の高い一時性のガスなので急襲かつ集中的に使用し敵を殲滅しますが、あまり数が配備されていません。きい弾のガスは数日くらい揮発せず残るので、土地の利用や通過の妨害に用います。あか弾のガスは一時性で〝一応〟非致死性クシャミガス
Show More