happy ending

「そう。これは傍目には小さいかもしれない
私の、すべて。しあわせな最期の──」

ミストであり鷺宮慎吾さん、ありがとう。
どうか、安らかに。
貴方の武勇は私の目とこころの中に。

〈happy ending〉
◆◆◆ミスト
生まれ落ちた時、意味を持たぬ捨てられた生命(いのち)───

生きて、生きて、必死に生きて

そうして迎えた最期の時に

ただ一つでも誇れる何かがあればいい

大切なのは他者の目では無く
自分がどう感じたか

悔いの無いこと
幸せであったこと

そう感じる事が出来たなら

進んだ道とこの一生は

確かに意味ある
確かに価値ある

生命だったと─────

「ああ、私は、とても幸福、だったよ」

◆◆◆幸子
お兄ちゃんが遠い
お兄ちゃんと私の間、見えない壁があるの

強さも優しさも敵わないよ

私にばかり全てをくれてお兄ちゃん、何にも楽しい事出来なかったのに！！

ありがとう、ごめんね？
ありがとう、大好き！！

ずっと、ずっと、大好き･･････

それでも届かない。いくら叩いても壊せない、壁──その立派な背中も笑顔も見えるのに

お兄ちゃんが私にくれた温かさのぜんぶに

私はたどり着けない

───それでも
私は生きるよ。お兄ちゃんが、そう、言ってくれたから･･････。

お兄ちゃん、だいすき！
私、力いっぱい生きるからね？

◆◆◆
──一方で。
妹でも、主人とエルペタス(そしき)の人間でも、同盟を結んだモーリーの面々でも無く。

ここにも一人

確実に今
彼を惜しんで
泪する者がいて。

別れを惜しんでくれるのはいつか心底から自身を凡庸だと思い知り、興味深いと目を向けた〈非凡〉な青年。

眩しい位に真っ直ぐな、優しい、青年。

とても強い意志とちからを持った

普通の

とても温かな─────

◆◆◆紅林二郎
「多分〈普通の死に方〉していない。
だから余計に──･･･きっと最後まで血塗れで闘って。信念を貫いたのだろうから。
･･･俺は、あなたを尊敬します。
心から───どうかゆっくり、休んでください」

◆◆◆
ありがとうとさようならと、お疲れ様！！
二郎君の目線の言葉の創作も書いたけれど、この二人には本当に再会して欲しかった。多分、死んだ後に行く所が違うだろうから。
両方真っ直ぐに生きて来たのに。それでも違うだろうから。あの世で一献、が出来ないから。

いつかミストんと二郎君の再会の絵描いたから私の中ではもう一度は会ってた設定。と言うことにしておこう！

誰かがいなくなるのはやっぱり辛いね。慣れないものだ。でもいつでもその軌跡を視聴する事、出来るね。忘れなければ、ずっと、生きてるね。こころの中に。