ママヴァン・シー15

【愛憎苦楽の表裏の二面性】

※2025年の夏コミ想定の絵のラフ画です。
※今後、Fanboxを開設した際に、特定の投稿画と共にそちらへ移行するかもしれません。

■ 【あらすじ】　円卓の騎士トリスタンと妖精寵子イゾルデの初対面――。

　トリスタンが自身の名を名乗った直後、突然、イゾルデから重く冷たい憎悪を孕んだ気配が漂い始める。その場にいたバーヴァン・シー、トリスタン、藤丸立香が冷や汗を流す。

　一方、別の場所にいたモルガンは、その表情に緊張を走らせると、焦るようにその場を後にする。

　イゾルデの周囲に烏の羽根がどこからともなく漂い始めると、イゾルデは左手を伸ばす。
　その手の先、何もない空間に周囲に漂う烏の羽根が集束する。その烏の羽根の集合体は、黒い槍へとその姿を変える。
　バーヴァン・シーはその槍を一目見て、得体のしれない絶望感を感じると、慌てて”とある宝具”をその手に呼び寄せる。
そして、イゾルデに、呼び寄せた宝具を譲渡すると「憂さ晴らしに殴るのなら、その宝具で殴れ」と、黒い槍を手放すように仕向けた。
　その場にいた藤丸立香があわてて、バーヴァン・シーとイゾルデを別室に連れて行くと、子供に暴力を斡旋するバーヴァン・シーに軽く説教する。
　その後、間もなくして、藤丸立香は、入室してきたモルガンに二人を預けると、置き去りにしてしまっていたトリスタンの元へ戻る。
　トリスタンは、なにか思い詰めた様子で、その場に硬直し佇んでいた。
　藤丸立香は、どう接すればいいかわからず、ぎこちなくトリスタンに様子を伺う。
　すると――。

　「マスター……。私はおじさんと呼ばれるほど、老けて見えるのでしょうか……」

　……。
　藤丸立香は、トリスタンが思い詰めている点がそこなのかと思考が停止した。