53.赤えい
解説
出身:日本(千葉県)
安房国(現在の千葉県南)の野島崎から出港した船が嵐で遭難し漂流していた所、島を見つけた。助かったと思い乗組員は船を寄せて無事上陸したが、どこを探しても人がおらず、岩の上には見慣れない草木が茂り、その梢には藻がかかっており、岩の隙間には魚が棲んでいた。2、3里(約10㎞)歩いたが人も家も見つけることができず、水たまりで喉の渇きを癒そうとしたが、どの水たまりも海水で飲めなかった。乗組員たちは諦めて船へ戻り、島から離れたその時、さっきまでの島は海へ沈んで消えたという。島の正体は海面へ浮上した赤えいという妖怪だったとのことだという。赤えいは江戸時代後期(1841年)に出た奇談集「絵本百物語」に載ってた魚の妖怪で体長は3里(約12㎞)を上回るとされ、背に砂が溜まれば払い落とそうと海上に現れる。もし船を近づけようものなら、船は水底に沈められ荒波によって壊されてしまい、乗員も船もろとも渦に呑み込まれてしまうという。実在の魚であるアカエイは総排出腔の形が女性器に似ているため、傾城(城主を色香で迷わせて城を傾けるほどの美女)に因み「傾城魚」(けいせいぎょ)と呼ばれ、アカエイの中には背に京(城)を乗せているほど巨大なものがおり、突然海中に沈んで背の城を傾けるといった話が生まれたとする説もある。似たような大魚の妖怪として「オキナ」という妖怪がおり、オキナも体長が2里、3里ほどもあり、海底から雷鳴のような轟音が響くとともに大波が起こり、鯨をまるで大魚が鰯を丸呑みする程の大きさで、鯨は一目散に逃げていくとされる。
出身:日本(千葉県)
安房国(現在の千葉県南)の野島崎から出港した船が嵐で遭難し漂流していた所、島を見つけた。助かったと思い乗組員は船を寄せて無事上陸したが、どこを探しても人がおらず、岩の上には見慣れない草木が茂り、その梢には藻がかかっており、岩の隙間には魚が棲んでいた。2、3里(約10㎞)歩いたが人も家も見つけることができず、水たまりで喉の渇きを癒そうとしたが、どの水たまりも海水で飲めなかった。乗組員たちは諦めて船へ戻り、島から離れたその時、さっきまでの島は海へ沈んで消えたという。島の正体は海面へ浮上した赤えいという妖怪だったとのことだという。赤えいは江戸時代後期(1841年)に出た奇談集「絵本百物語」に載ってた魚の妖怪で体長は3里(約12㎞)を上回るとされ、背に砂が溜まれば払い落とそうと海上に現れる。もし船を近づけようものなら、船は水底に沈められ荒波によって壊されてしまい、乗員も船もろとも渦に呑み込まれてしまうという。実在の魚であるアカエイは総排出腔の形が女性器に似ているため、傾城(城主を色香で迷わせて城を傾けるほどの美女)に因み「傾城魚」(けいせいぎょ)と呼ばれ、アカエイの中には背に京(城)を乗せているほど巨大なものがおり、突然海中に沈んで背の城を傾けるといった話が生まれたとする説もある。似たような大魚の妖怪として「オキナ」という妖怪がおり、オキナも体長が2里、3里ほどもあり、海底から雷鳴のような轟音が響くとともに大波が起こり、鯨をまるで大魚が鰯を丸呑みする程の大きさで、鯨は一目散に逃げていくとされる。
1
4
55
2025-04-04 08:25
Comments (0)
No comments