『これが乙女心！？』

ある日、コンビニで飲み物を買って店を出る晃司。

ちょっとした段差でつまずき、手から缶が落ちそうになった瞬間──

「……危なっかしいな、ほんと」

スッと手を伸ばして缶をキャッチしたのは、横にいた心理。

そのまま無言で晃司の手に缶を戻し、頭をポンと撫でる。

「しっかりしろよ」

「………………」

（……あれ？今……めっちゃキュンとしたんだけど）

帰宅後、シャワーを浴びながら真っ赤な顔の晃司。

（ち、ちげぇ！！オレは旦那だ！！あいつは嫁だ！！オレが守る側で、抱く側だ！！なのになんで……心理に“抱かれたい”とか思っちまったんだよおおおおお！！）

リビングに戻ると、涼しい顔で読書してる心理。

「な、なぁ心理……」

「ん？」

「お前さ、たまにすげーイケメンになるよな？」

「え、そう？よくわかんねーけど」

「ちくしょう……ッ、なんか悔しい……」

「晃司が照れてる顔、オレめっちゃ好きだよ」

「うるせぇぇぇ！ときめかせんな！」