tanasinnの塔 007
昨日のホテルの件が釣り橋効果を生み出す要因にでもなったのか、Y田が妙に馴れ馴れしい。
繋いだ右手を離してくれないので歩きにくいのは勿論だが、それ以上にどうでもいい事を先ほどから延々と聞かされるのが苦痛だった。
「…それでね、病院についたら優先して診察してもらえるように頼んでみるよ。私のパパ、お医者さんに知り合いとか結構いるから。だから友達だよね、私達?」
会話の脈絡を無視して最後にはこれである。友達だよねと置いていかないよねの繰り返しばかりでいい加減に苛立ってきた。
わかったから黙って歩けと努めて冷徹になって突き放すと、Y田の表情がこの世の終わりのような顔になってひきつった。
「え…あれ…? ご、ごめんな…さい…?」
友達料を払ってないから怒っているの? その言葉に、今度は私の顔が硬直した。不機嫌である事を隠さずにY田を睨むと、誤解しているのかそのままぺらぺらと喋る。
「ごめんね…。私、今カードしか持ってないから…。あ、でもパパかママに会えたら…すぐに払ってもらうね」
3万円くらいでいい? という言葉を聞いた瞬間、私はY田の横っ面を思い切り引っぱたいた。
繋いだ右手を離してくれないので歩きにくいのは勿論だが、それ以上にどうでもいい事を先ほどから延々と聞かされるのが苦痛だった。
「…それでね、病院についたら優先して診察してもらえるように頼んでみるよ。私のパパ、お医者さんに知り合いとか結構いるから。だから友達だよね、私達?」
会話の脈絡を無視して最後にはこれである。友達だよねと置いていかないよねの繰り返しばかりでいい加減に苛立ってきた。
わかったから黙って歩けと努めて冷徹になって突き放すと、Y田の表情がこの世の終わりのような顔になってひきつった。
「え…あれ…? ご、ごめんな…さい…?」
友達料を払ってないから怒っているの? その言葉に、今度は私の顔が硬直した。不機嫌である事を隠さずにY田を睨むと、誤解しているのかそのままぺらぺらと喋る。
「ごめんね…。私、今カードしか持ってないから…。あ、でもパパかママに会えたら…すぐに払ってもらうね」
3万円くらいでいい? という言葉を聞いた瞬間、私はY田の横っ面を思い切り引っぱたいた。
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2011-04-03 19:42
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