教授、未来はどうなるんでしょうか。

「その問を130年前にも聞いたよ。人類はそのころも愚かで、人災と天災の不幸の波状攻撃を受け、そのなかでお互いを罵り合いいがみ合っていた。それが今、2142年の今でも、形を変えて続いているのは君も見るとおり。それだけのことだ。そんな表面があっても、命と生きることの本質的な善性を覆すことはできない。だから我々は今も生きている。そして我々のあと100年経っても、同じように嘆き苦しみながら、それでも生きているだろう。だから遺伝的アルゴリズムの結果の免疫システム、形態形成の力を信じ、使命を自覚し、自分を充実させること。それで十分だ。たまに貧乏くじを引いたとしても、それはなんということはない。生きて行くことにはかわりはない。生きて行くんだ。一瞬の絶望や嫉妬に心惑わされてはいけない。我々の命は、その惑わされなかった先輩たちから途方も無い連続で受け継いだものなのだから。我々はきっと受け継いでいける。諦めたとしても、結局諦められないのも我々の性質だからね」

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2011-07-20 14:17

 YONEDEN


Comments (5)

YONEDEN 2011-09-03 10:37

失礼しました。pixivは字数制限厳しいっすね(笑。続き>つらかったとはいえ、こうして貴方が今いること、そしてこう再会できたことに深く感謝です。

YONEDEN 2011-09-03 10:36

名無し三等兵さま>鈴谷さんまで覚えてくれていて本当に嬉しいです。私も辛かったけど、その結果こうしてお役に立てたようで本当に作家冥利につきます。ありがとう。本当にありがとうです。浪人生の苦しみは独特ですからね。私も体験しました。つらかったとはいえ、こうして貴方が今いること、そしてこ

YONEDEN 2011-09-03 10:32

リカルドロペスさま >ありがとうございます。このセリフは小説を書くものとして、自分で書きながら、何か自分の外側の高位の存在から書けと誘導されて書いたようなものと思います。作家は作品を自分だけのものと考えてはならないなと思いました。

私がYONEDEN様の書かれた本を初めて手に取ったのは浪人している時だったのですが、気持ちが沈んだ時、絶望しかけた時、こういう「沈んだ心を拾い上げてくれるような言葉」がどれだけ救いになったことか。悲しむ人の目線に立って語りかけることのできる人々、例えば教授や鈴谷さんのような人が、

リカルドロペス 2011-07-21 05:56

教授、至言ですね

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