想い
「あの子は、亡くなった両親が、空の上にいると信じてるの…。
だから、いつも風船を…。」
事情通らしい女性に、それを聞いたのは、
突然、失踪したあの子を探していた途中のこと。
「 えっ?そうだったんですか…。あ…!」
ビルの壁に身をまかしながら、
風船を寂しそうにふくらましてるあの子を、遠くに見ながら、私は絶句した。
転校して以来、同性の親友として、
いつも、笑顔しか見たことのない彼女の意外な一面だった。
いつも、持っているネコの風船が、少女を慰めるように、ふわふわと宙をたゆとうている。
私は、やっと見つけた彼女に、声をかけようとして、ふと、立ち止まる。
何と、慰めて、声をかけていいか、とっさに考えあぐねたのだ。
そんな、私の背中をそっと押してくれたのは、
一緒に彼女を探してくれた事情通の女性だった。
「 何も言わなくていいから、傍に寄り添ってあげて。」
「 ・・・・・・。うん…。ありがとう。」
私は、深呼吸を一つして、あの子の元へ、歩を進めた。
【第20話 掲載予定】
* 若干、推敲し、内容が変わる場合があります。
だから、いつも風船を…。」
事情通らしい女性に、それを聞いたのは、
突然、失踪したあの子を探していた途中のこと。
「 えっ?そうだったんですか…。あ…!」
ビルの壁に身をまかしながら、
風船を寂しそうにふくらましてるあの子を、遠くに見ながら、私は絶句した。
転校して以来、同性の親友として、
いつも、笑顔しか見たことのない彼女の意外な一面だった。
いつも、持っているネコの風船が、少女を慰めるように、ふわふわと宙をたゆとうている。
私は、やっと見つけた彼女に、声をかけようとして、ふと、立ち止まる。
何と、慰めて、声をかけていいか、とっさに考えあぐねたのだ。
そんな、私の背中をそっと押してくれたのは、
一緒に彼女を探してくれた事情通の女性だった。
「 何も言わなくていいから、傍に寄り添ってあげて。」
「 ・・・・・・。うん…。ありがとう。」
私は、深呼吸を一つして、あの子の元へ、歩を進めた。
【第20話 掲載予定】
* 若干、推敲し、内容が変わる場合があります。
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2011-11-06 22:27
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