太陽に憧れた小惑星

彼は名もないただの小惑星だった、彼は全てのモノに生きる力を与える「太陽」に大きな憧れを抱いていた。自分よりはるかに大きな力。自分よりはるかに大きな存在。自分も「太陽」のような誰かに生きる力を与えることのできる大きな存在になってみせる。彼はそう決意した。 そして彼の辛い修行の旅が始まった。 そして数百年後、彼は戻ってきた。彼の体は太陽のような強い金色の輝きに満ちていた。彼は太陽のように光り輝き、誰かに生きる力を与えることのできる能力を身につけることができた、のではなく。実は長年の修行で染みこんだ皮脂や汗の臭いが光の粒子となって溢れ出ているだけだった。 その後、あまりの臭さに友人や家族から「臭いぞ!風呂入れ!」と連呼された彼はしぶしぶ風呂に入ったとか、意地をはって入らなかったとか。
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2009-02-16 01:19

 ☆ネピャア☆


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