189　デュラハン／騎士

　第１８９弾は、デュラハン。（不確定は１８８番の「騎士」）
　アイルランドに伝わる、馬に乗った首無しの騎士です。
　デュラハンには首が無く（というか自分の首を脇に抱えています）、また乗っている馬も首なしです。

　デュラハンはバンシーと同様、人の死を予告する妖精の一種だそうで、これから死人の出る家の戸を叩き、人が顔を出すとそれを指差して去っていきます。当然指差された者はその後死ぬことになります。
　バンシーと異なる点は、予告だけにとどまらず、その後も積極的に対象を追い回す点でしょうか。デュラハンに一度ターゲットされてしまえば、もはやどこへ行こうと逃げ切ることはできないのです。
　あらゆる場所に先回りされ、標的となった者の命を刈り取ろうとします。部屋に立てこもれば、その部屋にデュラハンが現れるのです。

　何だか話を聞いていると、心霊スポット巡りをして霊に取り憑かれた人間の末路とダブります。（一度恨みを買うと、どこへでも現れて精神的に追い詰めていくあたりが正に）

　ちなみにデュラハンは川を越えては追って来ないそうなので、うまくすれば死の予告を回避できることもあるそうです。
　もともと川は土地を区切るほかに、霊の通り道だとも言われております。とすると、それに影響を受けるデュラハンは、やはり霊の一種なのかもしれません。