217　ウィンドフォース／エルフ

　第２１７弾は、ウィンドフォース。（不確定は１５８番の「エルフ」）
　エルフ族伝説の弓兵部隊です。

　エルフ族は森の中に都を築き、そこで一生を終える者がほとんどです。ごくわずかな例外を除いて、エルフたちは外に出ようとしません。外部との接触がいらぬ軋轢を生む結果になることを、長い歴史の中で嫌というほど知っているからです。

　伝説に謳われるエルフの都に過剰な妄想を抱き、そこに眠るに違いない秘宝の数々を奪わんと、古来多くの権力者や荒くれ者がこの都を目指しました。
　しかし、いまだエルフの都は健在。過去一度たりと外敵の侵入を許したことはありません。
　エルフ族には外敵を排除するための精強な特殊部隊がいるからです。

　エルフたちからは単に「守護者」と呼ばれるこの部隊は、各氏族から選ばれた高い才能の持ち主を２０年の長きにわたって鍛え上げ、森の中での戦闘に特化させたものです。

　過酷な訓練を経て最終試練を通過した者には、合格の証として一張の弓が与えられます。
　森の力を凝縮したというこの弓は、持つ者の心身を精霊に近い状態まで高めます。

　種族の傾向として風の精霊力が強く現れるエルフは、これにより、まさに風そのものと化します。疾風のように森を駆け抜け、枝葉の間を飛び回り、敵に矢の雨を降らせます。
　彼らを捉えることは困難です。高速で動き回る上、空気の加護を受けているために姿そのものが見えにくく、狙った攻撃も風でそらされるからです。
　彼らが放つ矢も同様です。風の力を受けた矢は敵を追って軌道を変え、ありとあらゆる方向から襲いかかり、ドリルのように肉体に食い込んで、八方に引き裂きます。

　始まりの時代から続く由緒ある種族に敬意を払わぬ襲撃者たちは、残らず、この部隊の洗礼を受けました。
　荒れ狂う風の力そのものであるこのエルフ集団を、外部の者はいつしか「ウィンドフォース」と呼ぶようになったのです。