異次元の邂逅
ある日を境に、突如として町から人々が行方をくらます事件が発生した。
その調査に乗り出したマリアは、地球を訪れていたエリスの助けを受け、犯行が星人の手による物だと突き止める。
見つけ出した星人の宇宙船を追ったマリアとエリスだったが、その途中で異次元空間へ引き込まれてしまう。
明らかに異空間の小惑星とわかる地表に着陸した宇宙船は、観念したかのように動きを止めている。
「あの船、ペダン星人の物だわ。こんな空間にまで逃げ込むだなんて」
「エリス、気をつけて。わざわざこんな場所で立ち止まるなんて、あの船の様子は明らかにおかしいわ」
慎重に船に歩み寄っていくエリスの背に、マリアは冷静が声をかけた。
「その通りだ、ウルトラレディ。狙い通りまんまとここまで付いて来たな!」
宇宙船から高圧的な女の声が聞こえて来る。
「あなたは!」
「私の名はペダン星太陽系方面軍司令官エスター。お前たちの事は知っているぞ、ウルトラマリア、エリス」
「観念したって訳じゃなさそうね。でも、お前たちがさらった人たちは返して貰うわよ」
突き付けるように言うエリスに、エスターの声が返答する。
「いいだろう。だが、その代わりにお前たちの身柄を押さえさせて貰うぞ」
「なんですって!」
「我々は現在ナックル星との戦争状態にある。だが、互いの手の内を知り尽くし膠着状態に陥っていてな。その状況を打破するために、お前たちの力が欲しいのだ。おとなしく協力すれば、捕らえた地球人を含めて手荒なマネはしないと約束しよう」
「ふざけるなっ!」
エリスの一喝に、相手の声から余裕が消えた。
「エリスの言う通りです。私たちの力は平和を守るための物。戦争への協力なんて絶対にできません!」
「ならば無理にでも捕らえ、洗脳してやるまでだ。行け、キングジョーブラック!」
エスターが言うと同時に、マリアたちの目前に漆黒のキングジョーが現れ、戦闘態勢を取る。
小惑星を舞台に激しい攻防の応酬が繰り広げられてゆく。
相手は宇宙恐竜ゼットンとも互角に戦う強豪中の強豪だったが、さすがにマリアとエリスのコンビネーションの前にはかなわず、激闘の末二人はそれを打ち破る。
「これでわかったでしょう。私たちはあなたたちの思い通りになんてなりません!」
「ふん、これで終わったと思っているのか。……ここは次元の交差点。様々な宇宙に散った我々の同胞が一堂に会する場所なのだ。それだけに戦力は充実しているぞ! 行け、キングジョースカーレット!」
再び空から現れるのは、深紅のキングジョーであった。その数二体。
先の戦いでエネルギーを大きく失った二人は、次第にキングジョーに劣勢を強いられていく。
そして、ついに決定的な一撃がマリアを捉えようとした時だった。
空から二筋の光線がキングジョースカーレットに撃ち込まれ、二体ともを転倒させた。
事情が飲み込めずに呆気にとられるマリアとエリスの前に、今まで見たこともない二人のウルトラレディが降り立ち、手を差し伸べた。
「あ、ありがとうございます。あなたたちは?」
「私はアーシア。地球のみんなにはウルトラレディ・アーシアって呼ばれてるわ」
「地球では? じゃああんたたちは、私たちの宇宙とは別の宇宙の存在ってこと?」
「そのようですね。……私の名はジール。そこのアーシアの姉です。我々も自分たちの地球からさらわれた人たちを追った所、このような場所に辿り着きました」
「お互いに地球を守る者として、目的は一緒。協力しようよ」
差し出されたアーシアの手を固く握り返すマリア。
「分かりました。私はウルトラマリア。行きましょう、一緒に!」
「エリスよ。……期待しとくからね」
四人になったウルトラレディの力は圧倒的だった。
瞬く間にキングジョースカーレット二体を撃破すると、エスターの乗る宇宙船はとらえた人々を残して逃走してゆく。
それを見届けると、四人は誰からともなく笑い合っていた。
「お互い、ここに長くはいられません。でも、別の宇宙にも仲間がいる事が分かって嬉しかったです、アーシアさん」
「それはこっちも同じですって、マリアさん、エリスさん。機会があったら……いいえ、必ずまた会いしましょう!」
その声に頷いたマリアとエリス、アーシアとジールは互いに笑みを交わしたのだった。
[イラリク企画作品]
マイピクのFeldenさんuser/870675作成のストーリーです。
その調査に乗り出したマリアは、地球を訪れていたエリスの助けを受け、犯行が星人の手による物だと突き止める。
見つけ出した星人の宇宙船を追ったマリアとエリスだったが、その途中で異次元空間へ引き込まれてしまう。
明らかに異空間の小惑星とわかる地表に着陸した宇宙船は、観念したかのように動きを止めている。
「あの船、ペダン星人の物だわ。こんな空間にまで逃げ込むだなんて」
「エリス、気をつけて。わざわざこんな場所で立ち止まるなんて、あの船の様子は明らかにおかしいわ」
慎重に船に歩み寄っていくエリスの背に、マリアは冷静が声をかけた。
「その通りだ、ウルトラレディ。狙い通りまんまとここまで付いて来たな!」
宇宙船から高圧的な女の声が聞こえて来る。
「あなたは!」
「私の名はペダン星太陽系方面軍司令官エスター。お前たちの事は知っているぞ、ウルトラマリア、エリス」
「観念したって訳じゃなさそうね。でも、お前たちがさらった人たちは返して貰うわよ」
突き付けるように言うエリスに、エスターの声が返答する。
「いいだろう。だが、その代わりにお前たちの身柄を押さえさせて貰うぞ」
「なんですって!」
「我々は現在ナックル星との戦争状態にある。だが、互いの手の内を知り尽くし膠着状態に陥っていてな。その状況を打破するために、お前たちの力が欲しいのだ。おとなしく協力すれば、捕らえた地球人を含めて手荒なマネはしないと約束しよう」
「ふざけるなっ!」
エリスの一喝に、相手の声から余裕が消えた。
「エリスの言う通りです。私たちの力は平和を守るための物。戦争への協力なんて絶対にできません!」
「ならば無理にでも捕らえ、洗脳してやるまでだ。行け、キングジョーブラック!」
エスターが言うと同時に、マリアたちの目前に漆黒のキングジョーが現れ、戦闘態勢を取る。
小惑星を舞台に激しい攻防の応酬が繰り広げられてゆく。
相手は宇宙恐竜ゼットンとも互角に戦う強豪中の強豪だったが、さすがにマリアとエリスのコンビネーションの前にはかなわず、激闘の末二人はそれを打ち破る。
「これでわかったでしょう。私たちはあなたたちの思い通りになんてなりません!」
「ふん、これで終わったと思っているのか。……ここは次元の交差点。様々な宇宙に散った我々の同胞が一堂に会する場所なのだ。それだけに戦力は充実しているぞ! 行け、キングジョースカーレット!」
再び空から現れるのは、深紅のキングジョーであった。その数二体。
先の戦いでエネルギーを大きく失った二人は、次第にキングジョーに劣勢を強いられていく。
そして、ついに決定的な一撃がマリアを捉えようとした時だった。
空から二筋の光線がキングジョースカーレットに撃ち込まれ、二体ともを転倒させた。
事情が飲み込めずに呆気にとられるマリアとエリスの前に、今まで見たこともない二人のウルトラレディが降り立ち、手を差し伸べた。
「あ、ありがとうございます。あなたたちは?」
「私はアーシア。地球のみんなにはウルトラレディ・アーシアって呼ばれてるわ」
「地球では? じゃああんたたちは、私たちの宇宙とは別の宇宙の存在ってこと?」
「そのようですね。……私の名はジール。そこのアーシアの姉です。我々も自分たちの地球からさらわれた人たちを追った所、このような場所に辿り着きました」
「お互いに地球を守る者として、目的は一緒。協力しようよ」
差し出されたアーシアの手を固く握り返すマリア。
「分かりました。私はウルトラマリア。行きましょう、一緒に!」
「エリスよ。……期待しとくからね」
四人になったウルトラレディの力は圧倒的だった。
瞬く間にキングジョースカーレット二体を撃破すると、エスターの乗る宇宙船はとらえた人々を残して逃走してゆく。
それを見届けると、四人は誰からともなく笑い合っていた。
「お互い、ここに長くはいられません。でも、別の宇宙にも仲間がいる事が分かって嬉しかったです、アーシアさん」
「それはこっちも同じですって、マリアさん、エリスさん。機会があったら……いいえ、必ずまた会いしましょう!」
その声に頷いたマリアとエリス、アーシアとジールは互いに笑みを交わしたのだった。
[イラリク企画作品]
マイピクのFeldenさんuser/870675作成のストーリーです。
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20092
2013-06-20 00:39
Comments (6)
外伝として組み込めそうですね。
最後の握手の場面で、何故か、ティガと初代マンの握手シーンが浮かんだwww
最後に、笑顔でがっちり握手。最高のシーンです。
新たなる戦士との出会い、大きな戦力ですよね。
4人のウルトラ戦士の戦い、見事です。キングジョーブラックも強敵のはずですが、エース二人の力には敵いませんね。
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