小さい人の日常 〜シュポシュポの家編〜

どうにも家探しがはかどらない私は、巷で噂の※住居プランナーを訪ねた。

丁度おすすめの物件があると案内されたのが、このシュポシュポの家だ。

長く細い筒の入口がなんとも近未来な感じがする。

ようやく玄関に辿りつき、赤いドア(弁)を押して入る。

部屋は意外に広く、なかなかいい感じだ。

私は彼に少し考えたいので、商談中の札をつけておいてくださいと言った。
そして帰ろうと来た道を戻ろうとすると、彼に呼び止められる。

帰りはこちらの道ですと。

彼の指さす方向を見ると、高く盛り上がった入口に似た細い筒があった。

どうやら一方通行らしい。

私と彼はヒーヒー言いながら筒をよじ登り、最後は転げ落ちるようにして脱出した。

私は彼に言った。

この話はなかった事でと・・

※住居プランナーとは素人には家と判断できないような、変わり種の家を見つけて、紹介してくれる職業。

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2013-06-28 21:01

 @ryo


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