早起き姫 第2話:12頁

「さあ、どうぞ舞踏会へ」
しかし、まだ末娘は馬車に乗ろうとしません。

「ほかにも何かありますか?」
「あの、本当に……ごめんなさい」

ノルンが尋ねると、末娘は消え入りそうな声で答えました。
「どうぞ、もう全部言ってください。あなたを運命に導くことが、私の役目ですから」
末娘はまた重い口を開きました。

「すみません……あの、生地をモスリンから琥珀織に変えて、裾の刺繍がドレスと同系色で見えにくいので銀糸にして、それに合わせて髪飾りとアクセサリーも銀と水晶に統一して、あと、ショールは流行遅れなのでやめて、白いスカラップのフィシュを胸元でふんわりとめて、あ、そのブローチもほかのアクセサリーと同じように銀で、袖は七分袖にしてレースとボタンを付けたいんですけど……」

「なぁんだ、そんなこと」
ノルンがまた杖を振ると、ドレスは絹地に変わり、刺繍はきらめく銀色に染まり、アクセサリーと髪飾りもすべて白い光を放つ水晶と銀製になり、ショールの代わりに柔らかいスカラップのフィシュがふわりと巻かれ、やはり銀のブローチでそれを胸元にとめ、そして袖には大きな飾りボタンと控えめなレースが飾られました。

たしかにこちらの方が統一感があり、より洗練されて見えました。

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2013-09-20 17:36

 hnrfxm(くらげ)


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