ヌノキレと無題の記憶
「君はどうして泣いているの。僕はとても悲しくないのに」
簡易的なランタンをもったちいさなボロキレは言った
「それはそうよ、あなたは私じゃないのよ。あなたは悲しくなくても私は悲しいの」
暗闇で一人声を殺した嗚咽をあげる少女を首をかしげて照らしあげる。
「それは可笑しい。僕は君だもの。僕は悲しくないから、君だって本当はかなしくいないんだ。待っているんだ。変化を。なにかのね。でもこのままじゃ、何も変わらない」
少女も首をかしげる
「あなたは一体」
「僕は"ヌノキレ"。君の心だよ。君はさっき、私はもボロキレのようだと言ったね。君の心は君の思うままさ。だけれど僕にも意思ってものがあってね。君はこれから広く驚くような青い空や、深さの分からない位に澄んだな海を見に行くんだ。」
少女は手を取られ、夕闇に呑まれた部屋のベッドから下りひとつしかない傾いた窓を開く。
「そんな場所へ・・・どうして」
ヌノキレは縫い合わされている大きな口をグアッと開けて言った
「全ては君の望み次第。全ては君次第で動く世界。そして僕も、全ては君次第なんだ。もっと広い世界をみよう。こんなちっぽけな場所のちっぽけな出来ごとを"ちっぽけだ"と笑ってしまえる位にね」
簡易的なランタンをもったちいさなボロキレは言った
「それはそうよ、あなたは私じゃないのよ。あなたは悲しくなくても私は悲しいの」
暗闇で一人声を殺した嗚咽をあげる少女を首をかしげて照らしあげる。
「それは可笑しい。僕は君だもの。僕は悲しくないから、君だって本当はかなしくいないんだ。待っているんだ。変化を。なにかのね。でもこのままじゃ、何も変わらない」
少女も首をかしげる
「あなたは一体」
「僕は"ヌノキレ"。君の心だよ。君はさっき、私はもボロキレのようだと言ったね。君の心は君の思うままさ。だけれど僕にも意思ってものがあってね。君はこれから広く驚くような青い空や、深さの分からない位に澄んだな海を見に行くんだ。」
少女は手を取られ、夕闇に呑まれた部屋のベッドから下りひとつしかない傾いた窓を開く。
「そんな場所へ・・・どうして」
ヌノキレは縫い合わされている大きな口をグアッと開けて言った
「全ては君の望み次第。全ては君次第で動く世界。そして僕も、全ては君次第なんだ。もっと広い世界をみよう。こんなちっぽけな場所のちっぽけな出来ごとを"ちっぽけだ"と笑ってしまえる位にね」
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2015-02-18 10:15
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