或る雨の日に(夏目友人帳+刀剣乱舞)
鉛筆落書きにちょっと+
神社に雨宿りに来た夏目貴志少年と石切丸さん的な妄想…。
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雨の降りやまぬ或る日、石切丸は境内に子供の姿を見つけた。
どこかでころびでもしたのだろうか。壊れた傘を足元に、あちこち擦り傷だらけの子供は樹の下で膝をかかえている。
「冷た...」
少年が呟く。頭上の枝から溢れた水滴が少年の首元に落ちたようだった。
見回してみるが、天候のせいかあたりには人の姿が見えない。
ーほんの少し、袖を貸すくらいなら、許されるだろうか。
石切丸はそっと少年の背後に近づく。そして、その頭上に袖を掲げてやった。
誰かが彼を見つけるまで、ほんの少しでも雨除けの足しになれば...そんな気持ちからだった。
不意に少年がこちらを振り返った。
誰かが近づいてきたのかと思ったが、背後にあるのは木の幹だけだ。その上、合うはずがない視線が絡んで、石切丸は僅かに狼狽した。
少年は石切丸を上から下までじっと見つめてから、不安そうに首を傾げ、そして。
「...、ここの“人“...?」
か細い声の問いではあったが、石切丸には少年の発した「人」の一文字の重みが知れた。
それゆえに否、とも是とも答えられず、石切丸は曖昧に笑みを返した。
神社に雨宿りに来た夏目貴志少年と石切丸さん的な妄想…。
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雨の降りやまぬ或る日、石切丸は境内に子供の姿を見つけた。
どこかでころびでもしたのだろうか。壊れた傘を足元に、あちこち擦り傷だらけの子供は樹の下で膝をかかえている。
「冷た...」
少年が呟く。頭上の枝から溢れた水滴が少年の首元に落ちたようだった。
見回してみるが、天候のせいかあたりには人の姿が見えない。
ーほんの少し、袖を貸すくらいなら、許されるだろうか。
石切丸はそっと少年の背後に近づく。そして、その頭上に袖を掲げてやった。
誰かが彼を見つけるまで、ほんの少しでも雨除けの足しになれば...そんな気持ちからだった。
不意に少年がこちらを振り返った。
誰かが近づいてきたのかと思ったが、背後にあるのは木の幹だけだ。その上、合うはずがない視線が絡んで、石切丸は僅かに狼狽した。
少年は石切丸を上から下までじっと見つめてから、不安そうに首を傾げ、そして。
「...、ここの“人“...?」
か細い声の問いではあったが、石切丸には少年の発した「人」の一文字の重みが知れた。
それゆえに否、とも是とも答えられず、石切丸は曖昧に笑みを返した。
夏目友人帳
Natsume's Book of Friends
刀剣乱舞
Touken Ranbu
石切丸
Ishikirimaru
クロスオーバー
crossover
刀剣友人帳
toukennyuujinnchou
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2015-10-19 21:28
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