【千国大河】ルイス・バークレイ【第四期】
「ブリッツエルデ王国軍指揮官、ルイス・バークレイと申します。こんな若造が…とお思いなのでしょう?」
忠誠の黒き剣
Louis Barclay
ルイス・バークレイ
男/18歳/電巌の郷ブリッツエルデ
75pt(STR15/INT22/DEX26/AGI7/LUK5)
◆
前期
ヘッツァー様【illust/52810233】(ブリッツエルデ前王/父)
「どうかなこれ、父さんの真似をして作ってみたんだ。
この前話したレーダー式の索敵機能を取り入れたから実戦でも使え…え?名前?
ええと、アルスター…と、エスターかな。変じゃない?」
オーレリア・バークレイ【illust/52851659】(国軍前指揮官/母)
「この剣に恥じぬ男になってご覧に入れます」
(あの方の目はまるで猛禽類だ。目を合わせるのは恐ろしいが、そらすのはもっと恐ろしい)
今期
ヴェスペ・バークレイさん【illust/53376832】(ブリッツエルデ王/妹)
「ヴェスペ、俺としてはお前のことのほうが心配だよ。
ときに、その、スカートはもっと長くても良いんじゃないか?大丈夫なのか?」
◆絆
30年間の契約を交わし、軍学をご教授いただきます!
望郷の軍師 アベル様【illust/53597374】
旅の軍師だという彼と出会ったのは、指揮官に就任してしばらくたったときのことだ。
たしかに年上に見えたものの、彼の口から飛び出すのは百年も昔のことばかり。
遠い異国で軍を仕切っていたこともあるというから、つい身の上を話してしまった。
すると持ちかけられたのは"30年間の契約"。対価は"感情"だという。
彼に底知れない何かを感じて、私は首を縦に振った。
「これですか。これはアベル殿の話から書き起こした戦記です。
伝聞なんかじゃない、実の軍師様がおっしゃることそのままですから
そこらの兵法書より価値があるというものです。これで4冊目になりますよ」
「アベル殿、見てください。このような生き物初めて見たのですがご存知ですか?
鷲…ではないか。竜でしょうか?巣から落ちたのでしょう、可哀相に」
「こう模擬戦ばかりでは鈍りませんか?いえ、平和が一番です。しかし此度の号令では
ゴーレムの討伐令もでていますから、打ち合いよりは実戦に近いかと。
わが軍も出兵する予定です。アベル殿もご準備を」
それは青天の霹靂だった。
空白地帯の調査へ赴く道中、バルカマイモナと謁見の場があった。
諫言を呈する間もなく両女王の関係は急激に悪化し、そのまま国全体を巻き込む戦争へともつれこんだ。
土塊相手などではない、人と人が血を流し合う戦争だ。
慣れない地での交戦。自軍はみるみるうちに疲弊していった。
ここは砂漠の真ん中で、勝手知ったるバルカマイモナは悠々と構えている。
守りを固めたいが攻め込まねば勝てない。必死になって隊を動かした。
直属の部下が死ぬので、入れ替わり立ち代わり人が来る。
そして端から死んでいく。変わらず共にいてくれるアベル殿だけが私を正気に引き戻した。
前線はじりじりと自国側へ後退してきている。
今盛り返さなければ後はない。今日も寝てはいられないだろう。
数日前右脚に負った傷が一向にふさがらない。それどころか、そこから全身に熱が広がっていくようだった。
朦朧とする意識を振り払おうと空を見上げる。
すると青いはずの空はそこにはなく、大地を鏡写しにしたかのような深紅が広がっていた。
「ああ、なぜ空までもが赤いのだ。何もかも赤い、赤い…」
逃れようときつく目を閉じてもまぶたの裏まで血の色に侵されている。
どれほどの民が死んだ。糧を潰した。私は彼らに何をしてやれた。
何も守れなかった。何も救えなかった。ましてや与えてやれたものなど何もない。
豊かな国を夢見たのだ。他国にはどんな技術があるのだろうかと。
土壌を豊かにすれば美味い食物が育つようになるだろうかと。
いつか海の外とも交易ができるようになるだろうかと。
今は戦うしかない。けれどいつか、いつか…
…遠い夢だった。
悲しみに誘われて地に膝をついた。未練が身を焼くようだった。
アベル殿と契約を交わしたあの日…彼は言っていた。この契約の対価は感情だ、と。
ならば、この悲しみこそがそうなのだろう。
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☆素材お借りしました【illust/23495701】
忠誠の黒き剣
Louis Barclay
ルイス・バークレイ
男/18歳/電巌の郷ブリッツエルデ
75pt(STR15/INT22/DEX26/AGI7/LUK5)
◆
前期
ヘッツァー様【illust/52810233】(ブリッツエルデ前王/父)
「どうかなこれ、父さんの真似をして作ってみたんだ。
この前話したレーダー式の索敵機能を取り入れたから実戦でも使え…え?名前?
ええと、アルスター…と、エスターかな。変じゃない?」
オーレリア・バークレイ【illust/52851659】(国軍前指揮官/母)
「この剣に恥じぬ男になってご覧に入れます」
(あの方の目はまるで猛禽類だ。目を合わせるのは恐ろしいが、そらすのはもっと恐ろしい)
今期
ヴェスペ・バークレイさん【illust/53376832】(ブリッツエルデ王/妹)
「ヴェスペ、俺としてはお前のことのほうが心配だよ。
ときに、その、スカートはもっと長くても良いんじゃないか?大丈夫なのか?」
◆絆
30年間の契約を交わし、軍学をご教授いただきます!
望郷の軍師 アベル様【illust/53597374】
旅の軍師だという彼と出会ったのは、指揮官に就任してしばらくたったときのことだ。
たしかに年上に見えたものの、彼の口から飛び出すのは百年も昔のことばかり。
遠い異国で軍を仕切っていたこともあるというから、つい身の上を話してしまった。
すると持ちかけられたのは"30年間の契約"。対価は"感情"だという。
彼に底知れない何かを感じて、私は首を縦に振った。
「これですか。これはアベル殿の話から書き起こした戦記です。
伝聞なんかじゃない、実の軍師様がおっしゃることそのままですから
そこらの兵法書より価値があるというものです。これで4冊目になりますよ」
「アベル殿、見てください。このような生き物初めて見たのですがご存知ですか?
鷲…ではないか。竜でしょうか?巣から落ちたのでしょう、可哀相に」
「こう模擬戦ばかりでは鈍りませんか?いえ、平和が一番です。しかし此度の号令では
ゴーレムの討伐令もでていますから、打ち合いよりは実戦に近いかと。
わが軍も出兵する予定です。アベル殿もご準備を」
それは青天の霹靂だった。
空白地帯の調査へ赴く道中、バルカマイモナと謁見の場があった。
諫言を呈する間もなく両女王の関係は急激に悪化し、そのまま国全体を巻き込む戦争へともつれこんだ。
土塊相手などではない、人と人が血を流し合う戦争だ。
慣れない地での交戦。自軍はみるみるうちに疲弊していった。
ここは砂漠の真ん中で、勝手知ったるバルカマイモナは悠々と構えている。
守りを固めたいが攻め込まねば勝てない。必死になって隊を動かした。
直属の部下が死ぬので、入れ替わり立ち代わり人が来る。
そして端から死んでいく。変わらず共にいてくれるアベル殿だけが私を正気に引き戻した。
前線はじりじりと自国側へ後退してきている。
今盛り返さなければ後はない。今日も寝てはいられないだろう。
数日前右脚に負った傷が一向にふさがらない。それどころか、そこから全身に熱が広がっていくようだった。
朦朧とする意識を振り払おうと空を見上げる。
すると青いはずの空はそこにはなく、大地を鏡写しにしたかのような深紅が広がっていた。
「ああ、なぜ空までもが赤いのだ。何もかも赤い、赤い…」
逃れようときつく目を閉じてもまぶたの裏まで血の色に侵されている。
どれほどの民が死んだ。糧を潰した。私は彼らに何をしてやれた。
何も守れなかった。何も救えなかった。ましてや与えてやれたものなど何もない。
豊かな国を夢見たのだ。他国にはどんな技術があるのだろうかと。
土壌を豊かにすれば美味い食物が育つようになるだろうかと。
いつか海の外とも交易ができるようになるだろうかと。
今は戦うしかない。けれどいつか、いつか…
…遠い夢だった。
悲しみに誘われて地に膝をついた。未練が身を焼くようだった。
アベル殿と契約を交わしたあの日…彼は言っていた。この契約の対価は感情だ、と。
ならば、この悲しみこそがそうなのだろう。
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☆素材お借りしました【illust/23495701】
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2015-11-12 01:11
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