レオ

フェニックスとイーグルが合同で開発した人工知能。イーグルが情報処理を上手く行えるように補佐をするプログラムを持つ。イーグルの親友であるように作られており、その外見はフェニックスが同行した海域への調査航行の事故で死んだウツロ器官の作業員であったヒカリという青年に良く似ている。彼はパロットの外見の元となった女性ツボミを愛しており、彼が調査のプロジェクトに属していないにもかかわらずツボミが心配で乗り込んでしまった。イーグルはその彼の気持ちに同情できる情緒を持っていなかったが、いつも自分を助けてくれるレオに対して本当の親友であるかのような気持ちを抱かずにはいられなかった。

レオの外見や性格パターンの元となった「ヒカリ」という青年は、もともとイムサンガ地方に群れる獣変化（ヘクセン）の一つのコロニーに属していた。ヒカリはまだあどけない少年だったが、肉付きの細いヒカリは群れの雌役として若い雄に暴力的に愛されていた。ウツロ器官のハゲタカはその一人ぼっちの痩せた猫に興味を持った。ハゲタカはその頃実験体とする肉体と、自分の加虐趣味の相手をしてくれるような慈善の心をもつ生き物を探していた。ハゲタカは、その少年の意思に反していやらしい衣装を着飾らせられた様に見えるその姿をみて笑った。
「ほう・・可哀想に。こっちにおいで、哀れな子猫・・・とでもアイツは言うかな？？なあ、お前、俺の実験に付き合ってくれねえか？」
ヒカリは呆然としていた。
「じっけん・・？それは、はずかしいこと？」
「恥ずかしくはねえよ。俺と俺の勤めてる巣にとって利益のあることに携われるだからなぁ。あとお前にはたらふく食わせてやるよ。もっと男らしくなれるんじゃねえか？お前はオンナノコみたいに見えるが、栄養失調ってとこだろ・・そうだな・・！！」
ハゲタカはヒカリの肌についた傷のあとを見てギャアギャアと言うようなとても下品な笑い声を出した。
ヒカリは何も言わずにうなずいて、ハゲタカの羽の先に体を摺り寄せてきた。
その後ウツロに連れてこられたヒカリは充分に食べ物をお与えられ、そして鎮痛薬も与えられた。ヒカリは獣変化の丈夫な体のおかげでハゲタカの実験の実験体となっても死ぬことが無かった。ハゲタカはヒカリに飽きるとまったく餌もやらなくなってしまった。ちょうど、ハゲタカの番であるフクロウと上手くいかなくなっていた頃だった。フェニックスはどんどん衰弱するヒカリをかわいそうに思い、基礎的な教育を施し、ウツロ器官の事務的な作業を行えるようにヒカリを訓練した。
ヒカリはフェニックスに非常に感激し、フェニックスの良い部下となっていた。フェニックスの元にいるあいだに、ヒカリはハゲタカに対して悪態をつき非難することができるまで強くなった。

ヒカリのその性格はレオにも受け継がれた。レオは小さなヒカリよりも見違えるほど男らしくなり、明るく事務を行ってくれるがハゲタカに対する話題になるととたんに口を紡ぐか機嫌が悪くなる。