【キミフレ】朝海光紀【名簿】
◇企画元:きみはともだち【illust/68831506】
◆朝海光紀(あさみ・こうき)
男/高校三年/水泳部所属/18歳/183cm/4月11日生
一人称:俺/二人称:お前 名前は苗字呼び捨てが多い
◇7/1:素敵なご縁を頂きました♡ 小岩井ひなのさん【illust/69154201】
「声をかけられるだけでつい、にやけちまうから
きっと変なやつだと思われてるだろうな
――でも、自分の想いを止められるほど大人じゃねえんだよ」
同じ街に住んでいたのに、同じクラスになったのは意外にも高校に入ってからだった。
一緒のクラスになって、毎日顔を合わせるようになり
他愛もない会話をする中で、「話しやすいな」と感じたのが彼女――小岩井ひなのだった。
部活帰りにたまたま一緒になると分かれ道までぐだぐだと喋りながら帰る。
面倒見の良さが伝わるような、こちらが困っているとさりげなく助け舟をくれる
気遣いがありながらも、軽い会話の応酬が心地よかった。
その時はまだ、同じクラスの奴の中では比較的話しやすいクラスメイトというだけの存在。
なんとなく意識が変わって来たのは3年になってクラスが分かれた時。
いつも見るあの顔が教室にいないのに変な寂しさを覚えた。
クラス分かれた奴なんて他にいくらでもいるのに
気づけばあいつがいないか探してしまうし、見つけると目で追ってしまう。
誰かがいないということが、こんなに寂しいものだろうか。
「英語、分かんねえとこ聞きづらくなったな」
自分でもよくわからない寂しさは、そんな思いで誤魔化した。
部活終わりが同じタイミングになった時に一緒に帰るのは変わらないまま。
ただ、なんとなく距離感が分かりにくかった。
いつもの分かれ道で「またな」という時間がもう少し遅くなればいい、と
コンビニに寄り道したり無駄に長話したり。
何でそう思ったのかその時は分からなかった。
分からないから「もっと一緒にいたい」という言葉は出てこなかった。
――誰とかと誰とかが付き合い始めた、とかあの子の事は誰だかが狙っているらしいとか
目の前で繰り広げられる会話をぼんやりと聞いている。
夏休みに入ると片想いの子に逢えなくなるから寂しい、というのを聞いて
なんとなくどこかで聞いた話に似ているなと思った。
しばらく考えて、それが他ならぬ自分自身だということに気づいた時
分からなかったこと全部に納得した気がする。
「そうか、俺は小岩井の事が好きなんだな」
夏休みに入ると、部活の時間が合わなかったりで一緒に帰る頻度は随分減った。
それがまた寂しさを感じさせる。
折角一緒に帰れる機会も、無意味ににやにやしてしまったり
先の事を考えると何となく上の空になりぼんやりしていることもあったと思う。
だから小岩井から突然放たれた言葉に
自分の感情を隠すことが苦手な俺は分かりやすく反応してしまった。
そりゃあ、小岩井本人から
「好きな子いるんでしょ!」
なんて言われたら、動揺するに決まってる。
(本人からでなくても慌てるのに)
もうこれは隠し通すなんて無理だと思い、素直に白状した。
「……いるよ」
その後、小岩井の顔は見れなかった。恥ずかしすぎて。
いつだってあまり深く考えずに思いつきで行動し発言するから
何かをすることに、何かを言う事に、こんなにも考えたり悩んだりすることなんて
したことなかった。
「好きです」
たった四文字を言う事が、こんなにも難しいことだとは知らなかった。
あれから俺は努めて普段通りに話をするようにしているが
小岩井の方は何となくそういう風には見えなかった。勘違いかも知れないけど。
そしてその言葉はこれまた突然に放たれた。
大会が終わったら聞いてほしい話がある――
あまりにも真剣な表情で言うから、聞くも聞かないも何も考えずに
「うん」と言ってしまったが、いったい何を話すつもりだろう。
最近の小岩井は、彼女らしくなくソワソワと落ち着きのない様子や
時々上の空になっていたり、辺りを見回すような仕草をしていた。
その様子はまるで俺自身を見ているようで。
――もしかして、小岩井にも好きな人できたのかな
それに思い当たった時、目の前が暗くなった。
「そりゃあ、好きなやつができたなら
俺と暢気に帰ってる場合じゃないよな、はは」
クラスが分かれただけでもこんなにキツい思いしたのに
他の誰かと仲良く帰る姿なんて見てしまったら一生立ち直れない気がする。
俺は足りない脳みそを絞りに絞って結論を出した。
「どうせ振られるならこっちから告白してしまえ!」
などと思い切った割に、結局言い出せないまま今日に至る。
結局、大会の後聞いてほしい話は、俺が聞きたくなくて適当に誤魔化している。
「このままでいいんだろうか」
そんな思いを抱きながら、もうすぐ卒業が見えてきた。
卒業式、ここを逃したらもう逢うことはないだろうな、さてどうしようか。
◆誰にでもフレンドリー全開・考えるのは苦手な脳筋系。
運動は好きだが勉強はイマイチゆえに夏休み中は補習を受けに
学校に出てきている。英語の分からなさありえねえ。
それだけでは息がつまるので、適当参加になりはじめた水泳部に
顔を出してひと泳ぎして帰ったりなど。
◆基本思い込んだら一直線だが
気になる相手には一直線どころかその場をぐるぐる回っている状況。
正直どうしていいのか分かんねえ。
◆朝海光紀(あさみ・こうき)
男/高校三年/水泳部所属/18歳/183cm/4月11日生
一人称:俺/二人称:お前 名前は苗字呼び捨てが多い
◇7/1:素敵なご縁を頂きました♡ 小岩井ひなのさん【illust/69154201】
「声をかけられるだけでつい、にやけちまうから
きっと変なやつだと思われてるだろうな
――でも、自分の想いを止められるほど大人じゃねえんだよ」
同じ街に住んでいたのに、同じクラスになったのは意外にも高校に入ってからだった。
一緒のクラスになって、毎日顔を合わせるようになり
他愛もない会話をする中で、「話しやすいな」と感じたのが彼女――小岩井ひなのだった。
部活帰りにたまたま一緒になると分かれ道までぐだぐだと喋りながら帰る。
面倒見の良さが伝わるような、こちらが困っているとさりげなく助け舟をくれる
気遣いがありながらも、軽い会話の応酬が心地よかった。
その時はまだ、同じクラスの奴の中では比較的話しやすいクラスメイトというだけの存在。
なんとなく意識が変わって来たのは3年になってクラスが分かれた時。
いつも見るあの顔が教室にいないのに変な寂しさを覚えた。
クラス分かれた奴なんて他にいくらでもいるのに
気づけばあいつがいないか探してしまうし、見つけると目で追ってしまう。
誰かがいないということが、こんなに寂しいものだろうか。
「英語、分かんねえとこ聞きづらくなったな」
自分でもよくわからない寂しさは、そんな思いで誤魔化した。
部活終わりが同じタイミングになった時に一緒に帰るのは変わらないまま。
ただ、なんとなく距離感が分かりにくかった。
いつもの分かれ道で「またな」という時間がもう少し遅くなればいい、と
コンビニに寄り道したり無駄に長話したり。
何でそう思ったのかその時は分からなかった。
分からないから「もっと一緒にいたい」という言葉は出てこなかった。
――誰とかと誰とかが付き合い始めた、とかあの子の事は誰だかが狙っているらしいとか
目の前で繰り広げられる会話をぼんやりと聞いている。
夏休みに入ると片想いの子に逢えなくなるから寂しい、というのを聞いて
なんとなくどこかで聞いた話に似ているなと思った。
しばらく考えて、それが他ならぬ自分自身だということに気づいた時
分からなかったこと全部に納得した気がする。
「そうか、俺は小岩井の事が好きなんだな」
夏休みに入ると、部活の時間が合わなかったりで一緒に帰る頻度は随分減った。
それがまた寂しさを感じさせる。
折角一緒に帰れる機会も、無意味ににやにやしてしまったり
先の事を考えると何となく上の空になりぼんやりしていることもあったと思う。
だから小岩井から突然放たれた言葉に
自分の感情を隠すことが苦手な俺は分かりやすく反応してしまった。
そりゃあ、小岩井本人から
「好きな子いるんでしょ!」
なんて言われたら、動揺するに決まってる。
(本人からでなくても慌てるのに)
もうこれは隠し通すなんて無理だと思い、素直に白状した。
「……いるよ」
その後、小岩井の顔は見れなかった。恥ずかしすぎて。
いつだってあまり深く考えずに思いつきで行動し発言するから
何かをすることに、何かを言う事に、こんなにも考えたり悩んだりすることなんて
したことなかった。
「好きです」
たった四文字を言う事が、こんなにも難しいことだとは知らなかった。
あれから俺は努めて普段通りに話をするようにしているが
小岩井の方は何となくそういう風には見えなかった。勘違いかも知れないけど。
そしてその言葉はこれまた突然に放たれた。
大会が終わったら聞いてほしい話がある――
あまりにも真剣な表情で言うから、聞くも聞かないも何も考えずに
「うん」と言ってしまったが、いったい何を話すつもりだろう。
最近の小岩井は、彼女らしくなくソワソワと落ち着きのない様子や
時々上の空になっていたり、辺りを見回すような仕草をしていた。
その様子はまるで俺自身を見ているようで。
――もしかして、小岩井にも好きな人できたのかな
それに思い当たった時、目の前が暗くなった。
「そりゃあ、好きなやつができたなら
俺と暢気に帰ってる場合じゃないよな、はは」
クラスが分かれただけでもこんなにキツい思いしたのに
他の誰かと仲良く帰る姿なんて見てしまったら一生立ち直れない気がする。
俺は足りない脳みそを絞りに絞って結論を出した。
「どうせ振られるならこっちから告白してしまえ!」
などと思い切った割に、結局言い出せないまま今日に至る。
結局、大会の後聞いてほしい話は、俺が聞きたくなくて適当に誤魔化している。
「このままでいいんだろうか」
そんな思いを抱きながら、もうすぐ卒業が見えてきた。
卒業式、ここを逃したらもう逢うことはないだろうな、さてどうしようか。
◆誰にでもフレンドリー全開・考えるのは苦手な脳筋系。
運動は好きだが勉強はイマイチゆえに夏休み中は補習を受けに
学校に出てきている。英語の分からなさありえねえ。
それだけでは息がつまるので、適当参加になりはじめた水泳部に
顔を出してひと泳ぎして帰ったりなど。
◆基本思い込んだら一直線だが
気になる相手には一直線どころかその場をぐるぐる回っている状況。
正直どうしていいのか分かんねえ。
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2018-06-24 02:09
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