【PFLS】幼き日の思い出
―その昔、私は刻操術を学ぶため、
「雲石家」という神霊師の家に弟子入りしていました。
表向きは村の葬儀屋。
故人の声を聴き、生前叶えられなかったささやかな願いがあれば
刻操術で蘇生をさせ 願いを叶えることで現世に未練が無いよう魂をお送りする。
それが雲石家の仕事でした。
『この葬儀なら故人が禍根を残している筈がない』という村人達の認識もあり、
かの村の周辺で人型の幽霊が出たという話は全く出なかったのです。
八代目が村の外で葬儀を行う時はご長男が村内の葬儀を行っていました。
彼は元服前の幼子でしたが、類稀なる霊力と才気で仕事に従事していました。
五日前、鴇沙羅の花垣がある家のおばあさまが亡くなられた。
おばあさまは愛猫に別れを告げられず亡くなってしまったのが心残りだとおっしゃった。
「お宅に猫は見当たりませんでしたよ」と言うと
「猫は私の書斎に置いてある日記に挟まっていますよ」と教えてくださった。
その言葉に従うと、確かに平たい猫が心地よさそうに休んでいた。
遥か西方よりやってきためずらしい猫らしい。
……猫を抱き上げる時、おばあさまの日記の内容が見えてしまった。
おばあさまの日記は五日前で止まったままだった。
「にゃあん」
「ネユキ、今日の葬儀は無事終わったか?……それは何より。
お前には何度も言っているから分かっていると思うが、
雲石家の刻操術……葬儀は故人の願いと遺族の心の安寧の為にある。
間違っても術者であるお前自身の願いの為にこの術を使ってはならないぞ。
ましてや自分の望みの為に他者の願いを利用することは 絶対してはならない。
そうでなければ お前のその目が濁って
願いも、目的も、手段も、見分けがつかなくなってしまうからな」
お借りしました。
ブクマネコ【illust/73289224】
過去回想自キャラファンタジア ネユキ【illust/72942126】
「雲石家」という神霊師の家に弟子入りしていました。
表向きは村の葬儀屋。
故人の声を聴き、生前叶えられなかったささやかな願いがあれば
刻操術で蘇生をさせ 願いを叶えることで現世に未練が無いよう魂をお送りする。
それが雲石家の仕事でした。
『この葬儀なら故人が禍根を残している筈がない』という村人達の認識もあり、
かの村の周辺で人型の幽霊が出たという話は全く出なかったのです。
八代目が村の外で葬儀を行う時はご長男が村内の葬儀を行っていました。
彼は元服前の幼子でしたが、類稀なる霊力と才気で仕事に従事していました。
五日前、鴇沙羅の花垣がある家のおばあさまが亡くなられた。
おばあさまは愛猫に別れを告げられず亡くなってしまったのが心残りだとおっしゃった。
「お宅に猫は見当たりませんでしたよ」と言うと
「猫は私の書斎に置いてある日記に挟まっていますよ」と教えてくださった。
その言葉に従うと、確かに平たい猫が心地よさそうに休んでいた。
遥か西方よりやってきためずらしい猫らしい。
……猫を抱き上げる時、おばあさまの日記の内容が見えてしまった。
おばあさまの日記は五日前で止まったままだった。
「にゃあん」
「ネユキ、今日の葬儀は無事終わったか?……それは何より。
お前には何度も言っているから分かっていると思うが、
雲石家の刻操術……葬儀は故人の願いと遺族の心の安寧の為にある。
間違っても術者であるお前自身の願いの為にこの術を使ってはならないぞ。
ましてや自分の望みの為に他者の願いを利用することは 絶対してはならない。
そうでなければ お前のその目が濁って
願いも、目的も、手段も、見分けがつかなくなってしまうからな」
お借りしました。
ブクマネコ【illust/73289224】
過去回想自キャラファンタジア ネユキ【illust/72942126】
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pixiv Fantasia: Last Saga
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2019-03-23 23:57
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