【幻ロボ２】　正義とほざく裏切り者へ　【第三章】

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　レリギオン側　魔導通信

『我はレリギオン所属、ヴェスティーヌ・コルネリオ・レキン。愚かなトランキルの反逆者リリオ・リンドヴラム、ラルス・フォン・ドラッヘンブルグよ、今すぐ反逆を止め、武器を捨て投降せよ』
「ヴェスティーヌ？　一人で一体何をしようというんだ？」
　リリオは映像付きの魔導通信に目を向けた。それと同時にラルスも同じ映像を見ていた。
「あの女戦士か。確かに彼女は強いが、屈する程では無い。最後まで戦い抜く！」
『もし従わねばこ奴らの命は無いぞ』
　映像が引き始め、周囲の状況が映し出された。そこに映ったのは、

　十字架に縛られた大量の『人質』だった。

「そんな、あれは、残してきた領民たち…！！？」
「馬鹿な！　何でレジスタンスのみんなが！！？」
『トランキルから反旗を翻す者が出てくることくらい馬鹿でも読める。その中に偵察者を紛れ込ますなぞ造作もないことだ。だからリリオの領民達とラルスのレジスタンスを簡単に人質に出来たのだ』
　ヴェスティーヌの言葉にラルスが激昂する。
「おのれヴェスティーヌ！　卑劣な真似を！　今すぐ皆を解放しろ！！」
『敗北者共が私に楯突くか、どうやら自分の失態に気付いていないようだな』
「何だと！？」
『これは他でもない領主たる貴様らの失態だ。リリオに関しては敵地に領民を残しておくなど言語道断。人質にされる可能性を考えなかった。ラルスに関しては領民をほったらかしにした挙句、正義を気取って目の前の敵しか見ていなかった。結果、大勢の人質を取られたのだ。考えが足りないにも程がある』
　その言葉は２人の胸に深く刺さった。何も言い返せない正論、まさしくそれだった。　
『戦争に負けて我らの支配下に堕ちた身分でよくもまあ大層な口が利けたものだ。負ければ魔王がやった温情を帳消しにされ行き場を失うことになる。自分自身も、領民も、他のトランキルの民もな』
「それは…！！」
『長々と話すのもここまでにしよう。ここは戦場、無駄な問答にかまける時間は無かったな』
　相手の言葉を遮って話題を戻す。
『人質は全員エナジードレインで瀕死状態まで追い込んでいる。下手に動けば全員即死だ』
「っ！」
『何、死んでもソウルドレインで私の子となりエネルギーになる。そしてサキュバス族として生まれ変わる。まあ、人質が死ぬ事には変わらんがな』
「（そんな、また僕のせいで皆が……！）」
「（どうする、どうすればいい……！　どうすれば……！！）」
　リリオとラルスは必死に葛藤する。どうすればこの状況を打破できるのか。
『さあ時間は無いぞ。10分経過ごとに100人殺す』

『選択の時だ。選べ正義とほざく裏切り者』

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こちらの流れをお借りしました。
『そう何度何度何度でも』【illust/75305164】
『巨竜戦艦、立つ！』【illust/75322426】

簡潔に言えば、ヴェスティーヌが大量に人質とってます。
もしうっかりでも動けば人質ソウルドレインして死なせます。さらに言葉で精神的に追い詰めます。まさに外道。
リリオくんの残した領民は『立ち向かえ、今！』【illust/75304138】から拝借しました。
密偵者というのは『幕間』【illust/75204732】で言っていた「何かしらの手」の一つです。サキュバス族のスパイを紛れ込ませて情報をヴェスティーヌに流していました。だから領民を残したことや、レジスタンスの居場所も割れてたといった感じです。
ちなみに人質は万が一助けられても回復までに相当時間が掛かるくらいに瀕死ですので、慎重に扱わないと死にます。ご注意を。

お借りしました。
ラルス＆グランドラン【illust/74599613】

リリオ・リンドヴルム【illust/74810045】
Ｇリンドヴラム号【illust/74823141】

自前
ヴェスティーヌ・コルネリオ・レキン【illust/74620715】/完全体【illust/74855313】
タイタニアス【illust/74855441】

何か問題がありましたらご一報下さい。