Memories Of Monochrome (漫画76話)

やっぱり慣れない。何か違和感あるよなぁ。巧は、ソフィ以外の女の子と行動する時に、いつも思う。いや、それは、ちょっと失礼だなぁ。とも。高２の２学期も終わり、年が明ければ本格的に受験生モードに皆スイッチが入る。…さすがに、いつもソフィの傍にいるわけにはいかなくなるかもしれない。
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巧の生活には音楽が満ちている。巧が音楽と共にある、というよりも、巧が傍にいるソフィが音楽と共にあるから、音楽に親しんできた。ソフィの家系は音楽一家で、母親は元クラシックのピアニストであったし、叔父は世界的なJazzドラマーで、巧にドラムを教えてくれた。きっと、ソフィが慣れない異国の地で寂しくないようにと、愛する姪の相手にと巧にドラムを教えたのだろうが、今ではドラムは巧の一部だ。結局、音楽もドラムもソフィとの出逢いがきっかけなのだから、総てソフィに還ってゆくのかも、と巧は時々思う。その巧の音楽ライフに変化をもたらしたのが、紅騎と共に加入したロックバンド｢SLASH｣。激しいロックのドラムを叩くのは、フレーズ、パワー、ビートのどれも新しく新鮮だった。巧の世界は、拡がった。若い頃にロックドラマーだった師匠ミハエルに近づける気もした。この半年は夢中で新しい音楽に取り組んできた気がして、そんな自分に巧は誉めてやりたいと思っている。そうして、この音楽に満たされた日々を繋げてゆけば、１年後、高校を卒業して、例えばソフィと別々の進路を歩む事になったとしても、音楽でソフィと繋がっていられると思える。ピアノとドラムのふたりでいられる。巧は、小賢しいなぁ、と自分でも思う考えをそれでも否定できずに、頭の片隅に追いやる。
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ソフィ、ちゃんと家に帰れてるかな？…いやいや、いくらなんでも、こっち来たばかりの頃じゃないんだし、俺もいい加減に心配性やめないと。ソフィ離れ？…の準備しないと。
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★BGM★
☆Too Lost In You(Sugababes)
☆Another Day(Dream Theater)