プロニエン宇宙軍艦隊総旗艦 『カイザーリン・リンネホーフデア』
2189年。
自由ロマニエン惑星同盟とガミラスののちに一年戦争と呼ばれる戦争は熾烈を極め、ガミラスは艦艇13000隻余り。
同盟軍側は20000隻以上を消耗していた。
そんな中、ガミラスはデスラー総督の戴冠2周年のその日に5000余の艦隊を派遣した。
それに対して同盟側は二倍の11200隻の艦隊を派遣し迎撃に当たった。
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この会戦において、惑星ロマニエンの艦隊はもはや半壊、オトマニカの艦隊はガミラスとのドクトリンの違いになすすべなく敗退を続け、名将グリヴァス将軍も戦死したため艦隊指揮はプロニエン帝国宇宙軍に一任された。
そのため、これまでは損失を恐れ、本星防衛を担わせ続けていた虎の子の精鋭と親衛艦隊と戦死を恐れて中央作戦本部から命令を下させ続けてきた名将、コンラート・ヨアヒム・ローエングラムを投入。
そのコンラート提督の乗艦がこの
『カイザーリン・リンネホーフデァ』
だった。
旗艦級戦艦が流線型になっていく中、保守的なカクカクとしたデザインでありながら、洗練された機関配置や武装配置がなされ、機関部露出部はもはや装飾ではないかと錯覚するほど綺麗にまとめられた美しき総旗艦であった。
門数こそ少ないものも副砲の艦上下部の60サンチ偏向式中性子ビーム砲と艦首の80サンチ中性子ビーム砲は門数こそ少ないものの強力で特に艦首80サンチ砲のパワーは絶大で、10門中3門以上が命中すれば隣国の総旗艦すら一撃の元に葬り去るほどの威力があった。
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2189年7月7日午前9時10分。
同盟軍艦隊は三惑星のある宙域の安全回廊。
エクセリオン回廊でガミラス『第8機甲機動師団』と対峙。
この宙域というより回廊というべき宙域の外は恒星風や磁気嵐が吹き荒れており、下手にゲシュタムジャンプを使うと遭難しかねない宙域だった。
しかし、ここを突破せねば三惑星への侵攻はありえない。
そのためこの宙域での遭遇は必然と言うべき出会った。
戦闘はその10分後、先行するロマニエン第4艦隊がガミラス側第3分艦隊(バロム・ヴァラクの艦隊。)から急襲を受ける形で始まった。
しかし第四艦隊はガミラス分艦隊の奇襲に対し反応が遅れに遅れわずか2時間程で敗北を喫し、
同日午前11時26分。
第四艦隊3120隻中2080隻が撃沈、残りの半数が投降、残りは後退した。
その後、今度は第四艦隊のほぼ隣で展開していたロマニエン第七艦隊が急襲を受け、こちらは
午後1時59分
配備されていた1890隻が全滅するという大損害を被って集結した。
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その後の同日午後8時40分
前線にいた最後のロマニエンの艦隊勢力である第二艦隊1215隻はなんとか踏みとどまり後方で第七艦隊全滅の報を聴き体制を整えていた本隊と合流。
ここでコンラート提督は思い切った行動に出た。
自艦隊であるプロニエン帝国海軍艦隊を前面に出して防衛線を張ったのである。
理由はまず帝国艦が正面火力が凄まじいこと。
そして何よりも帝国艦隊はこの時点で他の二カ国よりも高い練度を誇っており、2艦隊を撃破したガミラス艦隊の油断を突こうとしたのである。
この作戦は見事に図に乗った。
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ガミラス側はここで一気に敵艦隊を突き崩そうと、快速と一点突破能力において絶大な破壊力を持つ第6分艦隊(ヴァル・ブリッツ艦隊)と撤退戦支援能力に長けた第5分艦隊(ヴィトリア・ベルティン艦隊)を投入。
師団司令アシュレーは彼としては珍しく敵の戦略に引っかかった。
ブリッツ率いる第6艦隊がコンラート艦隊の手薄なプロニエン左翼第二艦隊へ突入。
浸透するための進路を開こうとした。
しかし第二艦隊はもともとプロニエンの皇帝親衛艦隊。
異常なほど高い練度を誇る。
ブリッツ艦隊は第二艦隊射角外から帝国第二艦隊を圧倒。
突入に成功し、浸透を開始しようとした最中。
突如後方から敵の巡航艦からの攻撃を受けた。
ブリッツ艦隊は反撃しようとするも完全に射角外に入られ、一方的に殲滅され始めた。
そのためベルティン率いる第5分艦隊がすぐさま救援を開始。
しかしここも読まれていたか。
今度は第二艦隊の旗艦を含む本隊が救出。
第5分艦隊を殲滅し、ベルティン提督は戦死してしまう。
しかし第6分艦隊はゴリ押しともいうべき突撃で包囲網を抜けてしまった。
ここでアシュレーは後退を始めた。
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この機を逃すまいとコンラートは艦隊を前進させ始める。
砲撃しながらの追撃と途中の度重なる妨害などでガミラスが当会戦で投入したアシュレー師団の艦艇約1500隻中80〜110隻を撃沈。
(ベルティン、ブリッツ艦隊の損耗を含めると250隻近くの損失。)
しかしコンラートはある疑惑を拭えなかった。
(なぜただの撤退をしないことで定評のある敵師団がここまで交代するのか…?
そしてこの悪寒は何なんだ?)
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〜続、プロニエン艦艇解説へ続く〜
自由ロマニエン惑星同盟とガミラスののちに一年戦争と呼ばれる戦争は熾烈を極め、ガミラスは艦艇13000隻余り。
同盟軍側は20000隻以上を消耗していた。
そんな中、ガミラスはデスラー総督の戴冠2周年のその日に5000余の艦隊を派遣した。
それに対して同盟側は二倍の11200隻の艦隊を派遣し迎撃に当たった。
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この会戦において、惑星ロマニエンの艦隊はもはや半壊、オトマニカの艦隊はガミラスとのドクトリンの違いになすすべなく敗退を続け、名将グリヴァス将軍も戦死したため艦隊指揮はプロニエン帝国宇宙軍に一任された。
そのため、これまでは損失を恐れ、本星防衛を担わせ続けていた虎の子の精鋭と親衛艦隊と戦死を恐れて中央作戦本部から命令を下させ続けてきた名将、コンラート・ヨアヒム・ローエングラムを投入。
そのコンラート提督の乗艦がこの
『カイザーリン・リンネホーフデァ』
だった。
旗艦級戦艦が流線型になっていく中、保守的なカクカクとしたデザインでありながら、洗練された機関配置や武装配置がなされ、機関部露出部はもはや装飾ではないかと錯覚するほど綺麗にまとめられた美しき総旗艦であった。
門数こそ少ないものも副砲の艦上下部の60サンチ偏向式中性子ビーム砲と艦首の80サンチ中性子ビーム砲は門数こそ少ないものの強力で特に艦首80サンチ砲のパワーは絶大で、10門中3門以上が命中すれば隣国の総旗艦すら一撃の元に葬り去るほどの威力があった。
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2189年7月7日午前9時10分。
同盟軍艦隊は三惑星のある宙域の安全回廊。
エクセリオン回廊でガミラス『第8機甲機動師団』と対峙。
この宙域というより回廊というべき宙域の外は恒星風や磁気嵐が吹き荒れており、下手にゲシュタムジャンプを使うと遭難しかねない宙域だった。
しかし、ここを突破せねば三惑星への侵攻はありえない。
そのためこの宙域での遭遇は必然と言うべき出会った。
戦闘はその10分後、先行するロマニエン第4艦隊がガミラス側第3分艦隊(バロム・ヴァラクの艦隊。)から急襲を受ける形で始まった。
しかし第四艦隊はガミラス分艦隊の奇襲に対し反応が遅れに遅れわずか2時間程で敗北を喫し、
同日午前11時26分。
第四艦隊3120隻中2080隻が撃沈、残りの半数が投降、残りは後退した。
その後、今度は第四艦隊のほぼ隣で展開していたロマニエン第七艦隊が急襲を受け、こちらは
午後1時59分
配備されていた1890隻が全滅するという大損害を被って集結した。
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その後の同日午後8時40分
前線にいた最後のロマニエンの艦隊勢力である第二艦隊1215隻はなんとか踏みとどまり後方で第七艦隊全滅の報を聴き体制を整えていた本隊と合流。
ここでコンラート提督は思い切った行動に出た。
自艦隊であるプロニエン帝国海軍艦隊を前面に出して防衛線を張ったのである。
理由はまず帝国艦が正面火力が凄まじいこと。
そして何よりも帝国艦隊はこの時点で他の二カ国よりも高い練度を誇っており、2艦隊を撃破したガミラス艦隊の油断を突こうとしたのである。
この作戦は見事に図に乗った。
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ガミラス側はここで一気に敵艦隊を突き崩そうと、快速と一点突破能力において絶大な破壊力を持つ第6分艦隊(ヴァル・ブリッツ艦隊)と撤退戦支援能力に長けた第5分艦隊(ヴィトリア・ベルティン艦隊)を投入。
師団司令アシュレーは彼としては珍しく敵の戦略に引っかかった。
ブリッツ率いる第6艦隊がコンラート艦隊の手薄なプロニエン左翼第二艦隊へ突入。
浸透するための進路を開こうとした。
しかし第二艦隊はもともとプロニエンの皇帝親衛艦隊。
異常なほど高い練度を誇る。
ブリッツ艦隊は第二艦隊射角外から帝国第二艦隊を圧倒。
突入に成功し、浸透を開始しようとした最中。
突如後方から敵の巡航艦からの攻撃を受けた。
ブリッツ艦隊は反撃しようとするも完全に射角外に入られ、一方的に殲滅され始めた。
そのためベルティン率いる第5分艦隊がすぐさま救援を開始。
しかしここも読まれていたか。
今度は第二艦隊の旗艦を含む本隊が救出。
第5分艦隊を殲滅し、ベルティン提督は戦死してしまう。
しかし第6分艦隊はゴリ押しともいうべき突撃で包囲網を抜けてしまった。
ここでアシュレーは後退を始めた。
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この機を逃すまいとコンラートは艦隊を前進させ始める。
砲撃しながらの追撃と途中の度重なる妨害などでガミラスが当会戦で投入したアシュレー師団の艦艇約1500隻中80〜110隻を撃沈。
(ベルティン、ブリッツ艦隊の損耗を含めると250隻近くの損失。)
しかしコンラートはある疑惑を拭えなかった。
(なぜただの撤退をしないことで定評のある敵師団がここまで交代するのか…?
そしてこの悪寒は何なんだ?)
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〜続、プロニエン艦艇解説へ続く〜
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2021-08-28 23:15
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