連れて行って逃がさないで
「さて、記者会見と行こうじゃないかカフェ~」
アグネスタキオンは楽しそうに余った袖を振りながらマンハッタンカフェと校内に設けられた記者会見場に向かっていった。
前回のレース終了後タキオンが「ライバルはマンハッタンカフェ」と公言したことがきっかけで注目が集まり校内での記者会見が行われることになった。
初めに二人で記者たちの前に出てその後は一人ずつの会見という流れだ。
自分は二人の憩いの場であるタキオンの研究室にて会見の様子を見ることにした。
二人での会見は簡単な心境などを言い合い比較的短く終わった。
次に一人ずつということで先にカフェが会見することになった。
「いやぁやはり興味が尽きない人材だよ全く。君もそう思わないかい?」
勝負服姿のタキオンが自分の時間になるまで暇になったため一旦戻ってきた。
「彼女を身近で見ているトレーナー君の意見をぜひ聞きたいのだが?」
椅子に座り足を組みながらこちらに問いかけてくる。
マンハッタンカフェは常に『お友達』を目標に走り続けている。
未だ追いつけていないあの子の顔を見るためにトレーニングを続けている。
その時の集中力は凄まじいもので長時間走り続けても途切れないほどだ。
だからこそ『お友達』のペースに引っ張られて自分の走りが出来ない時がある。
自分の走りのペースを崩さないトレーニングが最近の走りに活きてきている。
それに『お友達』の走り方を聞いてそれを参考に彼女の走りに落とし込んでいった結果が今日のレース成果になっている。
自分は見えないが最近その『お友達』の背中に近づいてきているんじゃないかと考えていることをタキオンに伝えた。
静かに聞いていたタキオンは「ふぅン」と一つ頷く。
「やはり君は素晴らしい。彼女の不可視の理想を肯定しつつそれをトレーニングに活かす。他のトレーナーではこうはいかなかっただろうねぇ」
ケラケラと笑っているとふいに研究室のドアが開く。
「…終わりました。タキオンさん…呼ばれてます」
カフェが廊下の光を背にゆっくりと室内へと入ってくる。
「おや、もうかい?では行ってくるよ」
そう言ってタキオンはご機嫌な様子でドアも閉めずに会見場へと行ってしまった。
会見お疲れ様とカフェに声をかける。
「…人が多いところは慣れません」
ポツリと呟くと研究室の一角、カフェの憩いの場のソファに腰かける。
スタンドライトの灯りが黒髪を艶やかに照らし出している。
彼女はゆっくりとこちらに顔を向ける。
「タキオンさんと楽しそうに話していましたね」
か細いが鋭い声が届く。
カフェのことについて二人で話していたと伝えると「そうですか…」と一言。
いつもよりトーンが低いなと思っていると
バタン
研究室のドアが閉まる。
室内側にドアがあるので誰かが押さないと閉まらないが、まあいつものことだろう。
薄暗い研究室の中、彼女がゆっくりと呟く。
「私のことでしたら私に直接話せば良いんじゃないですか?」
俯き加減で彼女は言う。
彼女の言い方が少し気になるが、そういえば最近プライベートなことなどあまり話せていなかったなと思い出す。
「良い機会なので話そう。そうだ『お友達』のこともね」
一瞬の表情の変化
話そうと言った時は安堵したような顔だったのに『お友達』のことを伝えた瞬間、瞳孔が少し開いたように見えた。
スタンドライトが明滅する。
彼女の眼が金色に輝いているように見える。
唐突に彼女は立ちあがる。
彼女は棚に置いているポットからコーヒーを注ぎはじめる。
「グアテマラです。どうぞ」
黒い液体が注がれたマグカップからは白い湯気とともにコーヒーの良い香りが立ち込める。
「…えぇお話ししましょう。…たくさん。この部屋でしたらすぐには『誰も入れない』ので」
彼女はたまに独特な言い回しをするが今はお話しすることが大事だと思い、マグカップを受け取り一口すする。
それから二人で様々話し合った。
--------------
ドンドンドンドンドンドン
ガチャガチャガチャガチャ
マンハッタンカフェがコーヒーを注ぎトレーナーに渡していた頃
研究室のドアは激しく叩かれ、ドアノブは上下に動いていた。
「おーいカフェー?トレーナーくぅーん?開けておくれよー。えー?もしかしてあの『現象』か?よもや研究資料など見ていないだろうねー!また燃えるのは嫌だからねー!頼むー開けてくれー!」
中にいる二人には声もドアが叩かれている音も何故か聞こえていなかった。
1時間後
マンハッタンカフェとの話を終えて研究室のドアを開けると、涙目で体育座りをしているアグネスタキオンがいた。
アグネスタキオンは楽しそうに余った袖を振りながらマンハッタンカフェと校内に設けられた記者会見場に向かっていった。
前回のレース終了後タキオンが「ライバルはマンハッタンカフェ」と公言したことがきっかけで注目が集まり校内での記者会見が行われることになった。
初めに二人で記者たちの前に出てその後は一人ずつの会見という流れだ。
自分は二人の憩いの場であるタキオンの研究室にて会見の様子を見ることにした。
二人での会見は簡単な心境などを言い合い比較的短く終わった。
次に一人ずつということで先にカフェが会見することになった。
「いやぁやはり興味が尽きない人材だよ全く。君もそう思わないかい?」
勝負服姿のタキオンが自分の時間になるまで暇になったため一旦戻ってきた。
「彼女を身近で見ているトレーナー君の意見をぜひ聞きたいのだが?」
椅子に座り足を組みながらこちらに問いかけてくる。
マンハッタンカフェは常に『お友達』を目標に走り続けている。
未だ追いつけていないあの子の顔を見るためにトレーニングを続けている。
その時の集中力は凄まじいもので長時間走り続けても途切れないほどだ。
だからこそ『お友達』のペースに引っ張られて自分の走りが出来ない時がある。
自分の走りのペースを崩さないトレーニングが最近の走りに活きてきている。
それに『お友達』の走り方を聞いてそれを参考に彼女の走りに落とし込んでいった結果が今日のレース成果になっている。
自分は見えないが最近その『お友達』の背中に近づいてきているんじゃないかと考えていることをタキオンに伝えた。
静かに聞いていたタキオンは「ふぅン」と一つ頷く。
「やはり君は素晴らしい。彼女の不可視の理想を肯定しつつそれをトレーニングに活かす。他のトレーナーではこうはいかなかっただろうねぇ」
ケラケラと笑っているとふいに研究室のドアが開く。
「…終わりました。タキオンさん…呼ばれてます」
カフェが廊下の光を背にゆっくりと室内へと入ってくる。
「おや、もうかい?では行ってくるよ」
そう言ってタキオンはご機嫌な様子でドアも閉めずに会見場へと行ってしまった。
会見お疲れ様とカフェに声をかける。
「…人が多いところは慣れません」
ポツリと呟くと研究室の一角、カフェの憩いの場のソファに腰かける。
スタンドライトの灯りが黒髪を艶やかに照らし出している。
彼女はゆっくりとこちらに顔を向ける。
「タキオンさんと楽しそうに話していましたね」
か細いが鋭い声が届く。
カフェのことについて二人で話していたと伝えると「そうですか…」と一言。
いつもよりトーンが低いなと思っていると
バタン
研究室のドアが閉まる。
室内側にドアがあるので誰かが押さないと閉まらないが、まあいつものことだろう。
薄暗い研究室の中、彼女がゆっくりと呟く。
「私のことでしたら私に直接話せば良いんじゃないですか?」
俯き加減で彼女は言う。
彼女の言い方が少し気になるが、そういえば最近プライベートなことなどあまり話せていなかったなと思い出す。
「良い機会なので話そう。そうだ『お友達』のこともね」
一瞬の表情の変化
話そうと言った時は安堵したような顔だったのに『お友達』のことを伝えた瞬間、瞳孔が少し開いたように見えた。
スタンドライトが明滅する。
彼女の眼が金色に輝いているように見える。
唐突に彼女は立ちあがる。
彼女は棚に置いているポットからコーヒーを注ぎはじめる。
「グアテマラです。どうぞ」
黒い液体が注がれたマグカップからは白い湯気とともにコーヒーの良い香りが立ち込める。
「…えぇお話ししましょう。…たくさん。この部屋でしたらすぐには『誰も入れない』ので」
彼女はたまに独特な言い回しをするが今はお話しすることが大事だと思い、マグカップを受け取り一口すする。
それから二人で様々話し合った。
--------------
ドンドンドンドンドンドン
ガチャガチャガチャガチャ
マンハッタンカフェがコーヒーを注ぎトレーナーに渡していた頃
研究室のドアは激しく叩かれ、ドアノブは上下に動いていた。
「おーいカフェー?トレーナーくぅーん?開けておくれよー。えー?もしかしてあの『現象』か?よもや研究資料など見ていないだろうねー!また燃えるのは嫌だからねー!頼むー開けてくれー!」
中にいる二人には声もドアが叩かれている音も何故か聞こえていなかった。
1時間後
マンハッタンカフェとの話を終えて研究室のドアを開けると、涙目で体育座りをしているアグネスタキオンがいた。
ウマ娘
horse girl
ウマ娘プリティーダービー
Uma Musume Pretty Derby
マンハッタンカフェ(ウマ娘)
Manhattan Cafe (Uma Musume)
ヤンデレ
yandere
愛が重馬場
Aigaomobaba
タキカフェ
takikafe
キャプション芸
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2021-10-20 19:00
Comments (41)
タキオン、ケツワープ使え
どんな知識量なんだこの人、ヤバい
部屋を閉じる代償に本音を小さく漏らされるの面白い
タイトル名がカフェのキャラソンのあれやんけ(語彙力)
最後1文でめちゃくちゃほっこりした笑
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