寿学園創成期(01)
…大柄な少女がひとり、ボクシングのシャドーのような事をかれこれ小一時間は続けていた……
……彼女の名は亀島万子(きじまばんこ)
ある財閥の御令嬢である……
…昔、小さな時に偶然見た、公園でのある女子ボクサーに心を惹かれボクシングに憧れるが両親に猛反対され、家族に内緒で、独学で一人夜も明けぬうちからボクシングの練習に打ち込んでいたのである……
……もっしもし亀よ亀さんよ~……
……何やら公園の中央…
噴水の方に黒い人影があり、近寄ってみると、小学生位の体型の女の子が歌を歌っていた……
「……ねぇ、お嬢ちゃん……こんな夜更けに歌なんか歌って何してますの……」
「……夜更けにボクシングのトレーニングしてる御嬢様よりは違和感無くない……ねぇ、亀島万子さん……」
……貴女、一体何故私を知って……
……さぁ……何故でしょう…………
そして、万子は何故自分の事を知っていたかより、ある事が気になったのだった……
「…お待ち……私を知っていると……それではさっきの歌は……私の事……」
……世界で一番お前ほど~…
「…歩みの鈍い者は無い~~……」
「……お黙り!!」
「……んじゃぁ、はいコレ……」
万子は少女からボクシングのグローブを手渡された!
「…論より証拠……示してみせてよ、ドンガメじゃないか……僕とスパーリングしてね!」
「……貴女みたいな子供とですか?!…」
今しがた、会ったばかりの小学生位の少女にグローブを手渡され、あまつさえスパーリング……
万子は理解に思考が追いついてないようだった……
しかし、そんな子供にドンガメ呼ばわりはプライドが許さないようだ……
「……よろしくてよ……死なないように手加減はしてあげるわ…」
「…それと、勘違いしてるようだから言っておくけど、僕…16歳だから……あと、手加減したら死ぬのはそっちだって事も言っておくよ!」
「…んまっ?!!」
…万子は、青筋を立てながらグローブをはめつつ少女を睨みつけた!
「……まだ貴女の名前を聞いてませんでしたわね……教えて下さる……」
「僕?……僕の名前は千成……鶴利千成…」
「……聞いたことありますわ……貴女が千羽鶴ですのね……」
「……僕を知ってるんだ…じゃあ……始めようか……」
……開始の合図は盛りのついた猫の鳴き声…
…二人のスパーリングが始まったのだった………
……彼女の名は亀島万子(きじまばんこ)
ある財閥の御令嬢である……
…昔、小さな時に偶然見た、公園でのある女子ボクサーに心を惹かれボクシングに憧れるが両親に猛反対され、家族に内緒で、独学で一人夜も明けぬうちからボクシングの練習に打ち込んでいたのである……
……もっしもし亀よ亀さんよ~……
……何やら公園の中央…
噴水の方に黒い人影があり、近寄ってみると、小学生位の体型の女の子が歌を歌っていた……
「……ねぇ、お嬢ちゃん……こんな夜更けに歌なんか歌って何してますの……」
「……夜更けにボクシングのトレーニングしてる御嬢様よりは違和感無くない……ねぇ、亀島万子さん……」
……貴女、一体何故私を知って……
……さぁ……何故でしょう…………
そして、万子は何故自分の事を知っていたかより、ある事が気になったのだった……
「…お待ち……私を知っていると……それではさっきの歌は……私の事……」
……世界で一番お前ほど~…
「…歩みの鈍い者は無い~~……」
「……お黙り!!」
「……んじゃぁ、はいコレ……」
万子は少女からボクシングのグローブを手渡された!
「…論より証拠……示してみせてよ、ドンガメじゃないか……僕とスパーリングしてね!」
「……貴女みたいな子供とですか?!…」
今しがた、会ったばかりの小学生位の少女にグローブを手渡され、あまつさえスパーリング……
万子は理解に思考が追いついてないようだった……
しかし、そんな子供にドンガメ呼ばわりはプライドが許さないようだ……
「……よろしくてよ……死なないように手加減はしてあげるわ…」
「…それと、勘違いしてるようだから言っておくけど、僕…16歳だから……あと、手加減したら死ぬのはそっちだって事も言っておくよ!」
「…んまっ?!!」
…万子は、青筋を立てながらグローブをはめつつ少女を睨みつけた!
「……まだ貴女の名前を聞いてませんでしたわね……教えて下さる……」
「僕?……僕の名前は千成……鶴利千成…」
「……聞いたことありますわ……貴女が千羽鶴ですのね……」
「……僕を知ってるんだ…じゃあ……始めようか……」
……開始の合図は盛りのついた猫の鳴き声…
…二人のスパーリングが始まったのだった………
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2022-01-04 22:18
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