空飛ぶタクシー　その名は村雲

　それは、我々とは別の世界線のお話。
　日本皇国軍の思惑通り、期待通りの活躍を見せた村雨であったが、一方で大型であることやタンデムローター式であるが故の不便さも目立ち、現場からはもう少し小型で良いのでより使い勝手に優れた輸送ヘリが望まれた。
　その結果誕生したのが村雲であり、四村シリーズの最後を飾る。
　内容は一個分隊+α程度の兵員を搭載可能で、汎用性に富み大型輸送機での運搬の際には準備に6時間以内で済むことが要求された。
　開発を担ったのは村正に続き空技廠で、開発陣は軍の要求を完全に理解し、村正の主要コンポーネントを多用してコスト及び開発期間を圧縮し、僅か半年で実用化させたのが村雲である。
　村正のコンポーネントを多用しただけあり性能は優秀で、最大速度は300㎞/hを超え、期待通り使いやすいヘリであることが証明されると、空飛ぶ戦場タクシーとして全軍で重宝され、各所の戦地で村正と行動を共にする本機の姿が見られた。
　四村シリーズはいずれも設計にかなりの余裕があり、その結果戦後も生産が継続され、80年代まで現役であった他、同盟国では21世紀に入っても尚現役の機体が少なくない。
　
　別の世界線では空飛ぶ馬車などと呼ばれた。
　イラストではそんなファンタジーな世界を飛ぶ村雲の雄姿である。尚、背景は借り物なのでオリジナルとはしていない。
　でもって、これが四村シリーズの最後である。