紅眼(あかめ)

『アズラク』海底世界アズラクのヒト。第二章の最後に登場し、乳児のままバルスからアクアポリスに渡される。彼の誕生には「月と太陽と友愛の門を潜るための真理究明協会(魔門協会)」のゾクチェン・フェムが関わっている。だがそれだけで何の能力もない。逆に言語障害があるのか、ある時まで言葉を発しない。彼の言葉で物語は始まる。アクアポリスの色子として養育され、アクアポリスを殺害する命令をくだす。それはアクアポリスの融和政策に反対する、インアルを初めとする連邦の長老連の意向を受けてのものだった。彼は第四章の主役である。能く人を惑わし、クワサン・イブン・アラビーも一時彼に帰順した。15年戦争に決着をつけるべく最終攻撃を始め、赤の門、緑の柱、巨人、弧眼、「白帝」を纏った戦人、「紅后」を纏った海人とともに、天使党を滅ぼし南方国家を灰燼に帰する。そして全てが一つになり11の人種が出そろいアレフシステムは崩壊し第四章は終幕し、彼の死で物語は終わる。彼は15才で主役になり15才で物語は終わる。この絵は、最終戦争の最初を飾るムンマルトー砲撃前、彼はムンマルトーの花園で生まれて初めて花に囲まれていた。かつて、彼の精子提供者の一人であるバルスがそうであったように。そして彼が花畑で花を散らし舞うためだけに、ムンマルトーの砲撃は3刻延ばされた。決して住民を逃がすためではない。砲撃によってムンマルトーを含めた異端都市 20余りが壊滅し、天使党の前線は崩されることになる。彼はその火花を花を白髪に挿しながら眺めていたことだろう。花の名前は私は知らない。こののちクワサンは連邦を離れる。

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2011-03-25 19:02

 killhiguchi


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