【PFFK】描くこと【アフター】

（以下2ページ目の文章と同じ）

夢を見る。決まって君がいる夢。
そして君がいなくなる夢。
朝起きて呆然とする。私は何度も何度も喪失する。

身体もだいぶ回復し、ここの生活にも慣れた。
私は書物の編纂と庭の手入れ、鳥達のエサやり、
必要最低限の食料の栽培、最低限の生活の雑事、
2本の木竜の樹の手入れを行って日々をすごす。
この書架で色々学び、色々できるようになってきた。
ただ、たった一つのことができなくなった。

描くこと。

イーゼルにキャンバスを立てて筆を握ると、
手が震え筆が落ちる。まともに線も引けない。
彼女を失った絶望、描いてる途中で後ろから斬られた
恐怖、絵を描く上でのバックボーンの喪失。
原因はいくらでもある。
マグノリアは日に日に美しくなっていく。
恐ろしいほどに。

彼女を描きたい。

その思いは募るばかりで、私はただ停滞していた。

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こちら「神の玉座より」【illust/43449203】からこちら「竜木の司書」【illust/43304407】を挟んだ続きになります。
次で終わりです。

八木【illust/41854620】